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ミヤマヤマブキショウマ

北東北地方蛇紋岩地の固有種2
 古い話になるが,石灰岩地や鉱山に生える植物について学ぶ機会があった。それと同時に超塩基性岩地に生える植物についても多少知ることができた。
 二酸化ケイ素SiO₂含有量が45%以下の岩石を超塩基性岩という。アルミニウムAlやマグネシウムMgなどの金属成分が多く,見た目が青緑色のかんらん岩・斑れい岩,明るい赤褐色の蛇紋岩などがこれに属する。これらの岩石が露出したり,分解土壌となる山では,含有金属成分が植物の根に害を与えるため,普通の植物は生育できない。北海道の夕張岳・アポイ岳,東北地方の早池峰山,上越国境の谷川岳・至仏山,飛騨山系の白馬岳周辺,などは超塩基性岩の山として有名である。こうした山々には厳しい環境に耐性をもつ固有種が分布している。
 ハヤチネウスユキソウやミヤマヤマブキショウマの背景に写る岩石は蛇紋岩,風化した表面を削ると,この岩石本来の色・暗緑色の部分が現れる。濡れると滑りやすく,登山には注意が必要である。
 写真上で左奥に雲のかかる山頂部は薬師岳(1645m)で,花崗岩からなる山である。花崗岩は,二酸化ケイ素SiO₂含有量が66%以上で酸性岩の代表的な岩石である。早池峰山南面と対峙する薬師岳は,登山口の小田越を挟んで全く別の地質となる。薬師岳は山頂まで針葉樹林帯であるが,早池峰山南面は約1300mという標高ながら森林限界に達する。
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