SSブログ

サギソウ [ランの仲間]

白鷺舞う
 分布は広いが生育環境は低地の湿地となる。こうした場所は開発の対象となることが多く,人気の園芸植物とあいまって本来の自生地は激減した。環境省カテゴリでは準絶滅危惧(NT)に指定,本県では絶滅したと思われる。
 さらに近年危惧されているのは,遺伝子攪乱の実態が報告されていることである。その原因の一つが保存の手段として行われている“植物の植え戻し”といわれている

 周辺に民家はほとんどなく,谷津(谷戸)と呼ばれるわずかな湿地はひっそりと静まりかえっていた。朝霧は上がっていたが,まだ花は露をまとい少し透明感(写真A)があった。日曜日にもかかわらず訪れる人は皆無。静かな湿地で至福の時を過ごした。
※ 写真は上から順にA~E
sagisou.jpgsagisou2.jpgsagisou3.jpgsagisou4.jpgsagisou5.jpg
サギソウ(ラン科)Habenaria radiata 鷺草
 北海道~九州に分布,低地の日当たりの良い湿地に生える多年草。開花期の高さ15-40㎝。葉は広線形で,長さ5-10㎝,幅3-6㎜,茎の下部に3-5枚着く。地中では塊根が発達する。
 花期は7-9月。花序あたり1-5個の花を着ける。花の径は約3㎝。萼片は緑色,長さ2-2.5㎜。側花弁と唇弁は白く,唇弁は3裂し,扇型に展開した側花弁の先が糸状に裂ける。距は長さ3-4㎝,先端にかけて太くなり下垂する。
 しばしば群生となる。湿地が失われるとともに激減した。夜はスズメガ,昼はアザミウマと,時間によって送粉者を変える繁殖戦略を取っている。 (2022.8.7)

nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。