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コシダ [シダの仲間]

薄暗い林下で発見
 2017.11.22で掲載した写真は,西日本の海岸に付近で撮影した。再び掲載した小さな群落は取るに足らないものであるが,埼玉県ではやや珍しい自生地なので取り上げた。周囲の木々が伸びて日照は減少し,本種が生育するには厳しい環境と思われる。写真上ではウラジロも確認できる。
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コシダ(ウラジロ科)Dicranopteris pedata 小羊歯
 伊豆諸島(大島,利島,神津島,三宅島,御蔵島,八丈島,青ヶ島)・本州(福島県~新潟県以南,佐渡,淡路島,隠岐)・四国(本土,小豆島)・九州(本土,対馬,壱岐,五島列島,天草諸島,甑島列島,種子島,屋久島,奄美諸島,沖永良部島)・沖縄(沖縄本島,久米島,宮古島,西表島,与那国島)に分布,平地~山地のやや乾燥した明るい林下や陽の当たる場所に密に群生する常緑草本。群生した部分には他の植物の侵入は難しい環境を呈することが多い。やや暗い林下でも過去の大群生の遺産が辛うじて小さな群落を形成しているのに出会うことがある。本種の生存には強い直射光が必要なので,現在盛んな群落の最も外側は整っていても内部は枯れた残骸だけになっている。暖地では発育の良い葉は2mにも達することがある。
 根茎は細くて硬く,地中を長く這い,赤褐色の租毛がある。軸や休眠芽にも赤褐色の租毛がある。植物体はほぼ等分に分岐を繰り返し,最終分岐の中軸枝とそれ以前の分岐枝の基部の副枝は葉状であり,羽状に深裂して革質。表面は濃緑色,裏面は白色で赤褐色の毛がわずかに残る。葉縁は裏面に少し巻き込む。胞子嚢群は小羽片の中肋と辺縁の中間に1列に並んで着き,包膜を欠き,薄黄色に熟す。
 染色体数はn=78の2倍体で有性生殖である。
 胞子は1胞子嚢中に64個ずつ形成され,夏~秋に熟す。
 かつては葉柄を編んだ篭が羊歯細工として珍重された。葉は活け花の材料とされることがある。和名は羊歯(ウラジロ)よりも小形であることを表す。(2021.10.30)

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