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イヌザクラ

試験管ブラシのような花序
 自生するサクラの仲間(サクラ類)をいくつかの仲間(亜属)に分類する,という考え方がある。多くの種はサクラ亜属(Subgenus Cerasus)に属し,ヤマザクラ,エドヒガン,カスミザクラ,マメザクラ,ヒカンザクラなどが一例である。ところが中には変わった仲間(亜属)もある。その代表的なものがウワミズザクラ亜属(Subgenus Padus)であろう。花は穂状の総状花序で,慣れないとサクラと気づかないこともある。この仲間は日本では4種,秩父盆地では2種(ウワミズザクラ,イヌザクラ)が分布する。4月下旬から5月上旬にかけて花期を迎え,落葉広葉樹林の新緑に白い花穂が映えて大変美しい。これまでウワミズザクラばかりが目立っていたが,1本見つけると次々に見つかるものだ。自宅から3㎞圏内にイヌザクラ5株を確認した。花序下部に葉があるかないかで両種を区別できる。
 
写真は上から順にA ~E  A~D:イヌザクラ :ウワミズザクラ
inuzakura.jpginuzakura2.jpginuzakura3.jpginuzakura4.jpguwamizuzakura2.jpg
イヌザクラ(バラ科)Padus buergeriana 犬桜 別名 シロザクラ
 本州~九州に分布,日当たりの良い谷間などに生える落葉高木。高さ10-30m,直径20-30㎝に達する。葉は互生。葉は長楕円形で,長さ5-10㎝,幅2.5-3.5㎝。先端は尾状に長く尖り,基部はくさび形。葉縁は波打ち,やや浅い鋸歯がある。密腺は葉身の基部につくが,あまり目立たない。葉柄は長さ1-1.5㎝で無毛。花期は4-5月。葉の展開後に開花,前年枝の節から5-10㎝の総状花序を出し,多数の花をつける。花の径は5-7㎜。花序の軸には葉がつかない。(写真A:2020.5.4 写真B~D:2020.5.3 写真E:2020.4.27)

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