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ヤマトグサ

目立たない日本特産種
 目立たない小さな植物だが,知る人ぞ知る日本特産種。最初,1884年に高知県で採集され,学名は大久保三郎氏と牧野富太郎氏によって発表された。当時,日本在来種の学名は外国人によって命名されることが一般的であった。
 分布の北限は佐渡島で,私もそこで教えていただいた植物である。今回訪れた有名な山麓では,数え切れないほど個体数があり,不適切な表現であるが鎌で刈るほど登山道脇に生えていた。数日前の大雨が影響してか,傷んでいる花が多く,写真のような雄花は少ない。弱々しく細い花糸は微風でも揺れ動くため,撮影には時間を要した。

yamatogusa.jpg
ヤマトグサ(アカネ科)Theligonum japonicum 大和草
 本州(関東以西)~九州に分布,山中の林下に生える多年草。地下茎は短く,多くのひげ根を出す。茎の高さは15-30㎝,円くて,短毛があり,下部でまばらに分枝する。葉は対生し,卵形または狭卵形で長さ1-3㎝,幅8-20㎜,まばらに短毛があり,全縁で,先は尖るか鈍形でである。葉柄は長さ5-10㎜であるが,上部では短い。托葉は膜質で3角形,長さ2-3㎜,基部が少し合着する。花期は4-5月,淡緑色の風媒花で,茎の上部にある葉状苞に対生する。雄花は節ごとに1-2個つき,ほとんど柄がなく,蕾は短い筒状で,開くと3個の外花被片は反り返る。雄蕊は20-25個あって垂れ下がり,葯は線形で長さ4-5㎜,花糸は細く,葯より少し短い。雌花は緑色で非常に小さく,柄はない。下部の節に着くというがなかなか見つからない。クロンキストやエングラー分類体系ではヤマトグサ科として独立している。(2019.5.24)

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