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キタダケトリカブト

高山の岩礫地を彩る10
 私はトリカブト属Aconitum を分類する知識を持ち合わせていない。図鑑の検索表で調べても同定が難しい。帰宅後、24インチの液晶画像ではキタダケトリカブトの特徴がいくつか確認できた。しかし、花の表面は典型的なものと少し異なることで迷っていた。確固たる確信はないが、思い切って掲載することにした。
 名のとおり北岳特産で、日本で最も小さく、高い場所にはえるトリカブトといわれる。この個体の高さ約15㎝、葉の切れ込み方、花柄にはえる毛の様子、生育地の標高3050mなど、キタダケトリカブトの特徴である。花の表面にまばらに毛がはえているところが迷うところだ。
 この場所は、昨年9月、サンプクリンドウアカイシリンドウヒメセンブリを撮影した場所からあまり離れていない。その時も花の散ったトリカブトを数多く確認した。ふつう花の見ごろは8月で、まだ緑色の蕾であった。2株ほど開花していたが、それにしても今年の花の咲き方は異常に早い。
kitadaketorikabuto.jpg
キタダケトリカブト(キンポウゲ科)Aconitum kitadakense 北岳鳥兜
 南アルプス北岳の石灰岩地に分布、高山草原にはえる疑似1年草。茎は高さ15-30㎝、直立し、中部でよく分枝するが枝はあまり伸長しない。上部に曲がった毛がある。根出葉と下部の茎葉はふつう花時には枯れずに残る。中部の茎葉は腎心形で、長さ3-7㎝、幅3.5-8㎝、3深裂し、裂片は羽状に深裂し、欠刻片は線形~狭披針形幅1㎜。葉柄は長さ1-5㎝。根出葉か下部の茎葉が残る場合は長さ8-13㎝。花期は8-9月。花は長さ3-7㎝の散房状~総状花序に2-6個つくか単生し、青紫色、長さ3-3.5㎝。花柄は長さ1-3㎝、屈毛が生え、小苞は披針形で長さ3-20㎜、花柄の中部につく。上萼片は円錐形~僧帽形で長い嘴があり、長さ20-27㎜,幅11-18㎜。花弁は無毛、舷部は長さ10-11㎜、膨らみ、距は短くて嚢状、内曲しても180度以下、唇部は長さ2-4㎜、先端は2浅裂し、反り返る。雄蕊は有毛、雌蘂は3-5個、無毛あるいはまれに屈毛がある。(2018.7.18)

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