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ノウルシ

国の特別天然記念物指定地に生えるノウルシ
 ノウルシが好んで生える環境(湿地など)は減少しているが、田島ヶ原サクラソウ自生地(国の特別天然記念物)では大群落を見ることができる。
 国は貴重な天然記念物のうち、価値が特に高いものを特別天然記念物として指定している。植物では全30件、そのうち埼玉県内の指定は2件である。それぞれの天然記念物に対して、国や自治体、さらには地元をあげた保護活動が行われている。植物の天然記念物は指定対象の植物そのものを保護するだけでなく、生育に適した周辺の環境を維持管理しなければならない。人間の生活を優先するのか、自然環境を優先するのか、難しい課題が存在している。
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ノウルシ(トウダイグサ科) Euphorbia adenochlora 野漆
 北海道~九州に分布、生育地は湿地に限られ、乾燥するとなくなる。草丈は30㎝前後、直立茎に葉を互生し、茎頂に5枚の葉を散状につける。その葉腋から5本の散形枝を出して、先端に杯状花序をつける。さらに、三又分枝、ついで二又分枝を繰り返す。花期は4-5月、近年では温暖化の影響なのか3月に開花することもある。この大群落のほとんどは、まだ芽吹きの時期(写真中)である。掲載した写真からは確認できないが、球形の子房の外面には、いぼ状の小突起が密生する。この突起は果期まで残り、マルミノウルシとの違いとなる。
 分布が広いにもかかわらず、準絶滅危惧(NT)に指定されている。原因は開発等による湿地の減少と思われる。撮影地は有名なサクラソウ自生地である。サクラソウが見頃になる4月には黄色の絨毯(写真下)が広がり、サクラソウのピンク色は目立たない状態だ。サクラソウを愛でる人には厄介なノウルシだが、環境省RDBカテゴリに指定されているので除去することはできない。(写真上・中2018.3.13 下2014.4.7)

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