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コセリバオウレン [オウレンの仲間]

オウレンの3変種
 マイカテゴリーに「オウレンの仲間」を設けているように関心のある植物だ。開花時期が早く、1月に咲く地方もある。この時期になるとオウレンの開花が気になる。「日本の野生植物 草本Ⅱ」では、コセリバオウレンはセリバオウレンとともにオウレン(キクバオウレン)の変種扱いとなっている。この3種は花で区別することは難しく、葉の形態(3出複葉、2回3出複葉、3回3出複葉)に注目して分類することになる。
※ 写真は上から順に①~⑤
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コセリバオウレン(キンポウゲ科) Coptis japonica var. japonica小芹葉黄蓮
 本州の太平洋側に分布、針葉樹林下を好み、スギやヒノキなどの造林地にもよく生える小型の常緑多年草。3回3出複葉で細かく切れ込んだ葉写真⑤が特徴である。発達した根茎から数枚の根出葉を伸ばし冬を越す。早春に花茎を出し、分枝した先にふつう3個の花をつける。花茎は、花期後伸びて高さ15-40㎝になる。花は横向きにつき径約10㎜、両性花と雄花とがある。まれに雌花もつけるという話を聞いたことがあるが、未だに見たことがない。初めて花をつける若い株では、雄花だけしかつけないで、それから両方をつけ、やがて両性花ばかりをつけるようになるという。見た目では、両性花の株はより大きいように感じた。

 写真①は両性花、写真③は雄花、写真②④は両性花と雄花である。写真②では、コケに被われたヒノキ林下のコセリバオウレンをとらえてみた。直射日光が遮られる湿潤な環境で、コセリバオウレンは群落を形成していた。オウレンは自然光の40~50%の光量で最もよく育つ陰地性の植物で、自然状態でも針葉樹林下でよく見かける。下草の生えにくいスギの植林下などでは、草取りの手間がいらず栽培に適した場所と考えられている。成長の遅い植物の一つで自然状態では収穫まで10年以上を要するようだ。 (2018.3.15)
【参考文献等】
佐竹義輔他 編(1982), 「日本の野生植物 草本Ⅱ離弁花類」 平凡社
田村道夫編(1981),「日本の植物 研究ノート」培風館
米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList),http://ylist.info 

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