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カンアオイ

歩みの遅い植物
 若い時に「日本の植物区系」(前川文夫著)という本を読んだ。本の構成は日本の地形,日本の地史,日本の気候帯によるフロラ,地方的フロラ,という4部からなる。「地球の窓」「日本地質学発祥の地」と呼ばれる地で生まれたことから興味深く読んだ。「Ⅱ 日本列島の地史とフロラの変遷」は,カントウカンアオイの分布と10万年前の陸地との関係からはじまる。カンアオイの分布速度が極めて遅いことから,古地史と分布とを比較研究することができる,と解説されていた。
 埼玉県南西部の丘陵には,このカンアオイが分布している。帰宅後,久しぶりに懐かしい本の一節を読み直した。花は無弁花で厚質な萼なので,最後まで形を変えることは少ない。種子は発散することなく,ほぼ同じ場所に落ち着くと思われる。
kanaoi.jpgkanaoi2.jpg

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