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オオイタビ

奇妙な形をした果実
 海岸に咲くある花を探していたときに,木の枝に奇妙なものを見つけた。何かの虫こぶと思ったが,のちにイチジクの仲間と判明した。この仲間は,関東地方内陸部ではお目にかかれない植物である。
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オオイタビ(クワ科)Ficus pumila 大崖石榴
 本州(千葉県以西)・四国・九州・沖縄に分布,海岸近くの暖地に生える常緑つる性木本。雌雄異株。枝から気根を出して木や岩に這い上る。本年枝は褐色で短い伏毛を密生する。枝や葉を折ると白い乳液を出す。葉は互生,長さ4-10㎝,幅3-5㎝,楕円形~広楕円形,先端は鈍く,基部は円形。全縁で,葉質は厚い。側脈は4対。裏面は灰白色で,葉脈は浮き出る。花期は5-7月。葉腋に花囊を1個ずつつける。花囊は球形~倒卵形で,雄花序と雌花序の花囊は同形。雄花囊には雄花序のほかに虫えい花がある。10-11月に紫色に熟し,果実(果囊)は倒卵形で長さ3.5-5㎝。
 他のイチジク属Ficus 同様,花は花囊と呼ばれる壺状の隠頭花序に咲き,イチジクコバチの仲間(以下コバチ)によって受粉することは広く知られている。植物と昆虫には1種対1種の共生関係がある。雌コバチは雄花囊の虫えい花に入り込んで受粉とともに産卵,幼虫は種子を食べて成長する。羽化したコバチは花囊内で交尾,雌は花粉をつけて外に出て,雄は花囊内で一生を終える。 (2020.10.21)


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