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クルマギク [キクの仲間]

固有種を訪ねる
 地味な本種の知名度はキイジョウロウホトトギスほど高くないと思われる。環境省カテゴリでは絶滅危惧ⅠB類に指定されている希少種で,キイジョウロウホトトギス大群落と同じ岩壁に数株生えていた。この自生地からも個体数が少ないことが想像できる。分布は熊野川流域と図鑑には記述されているが,そのほかの流域にも自生していることが分かった。
 「花茎の根出葉は花時に枯れる」という予備知識があったので,根出葉から花茎が伸びている個体(写真上)に注目して撮影した。帰宅して詳細な画像で確認すると,根出葉は花をつけた花茎のものでないようだ。
kurumagiku.jpgkurumagiku2.jpg
クルマギク(キク科)Aster tenuipes 車菊
 和歌山県熊野川流域に分布,川岸の崖から垂下して生える多年草。渓流沿いの岩場に根をはり,根出葉がロゼットを形成する。この根出葉から翌年の株を側生する。茎は30-85㎝,上部で短い枝を多数分枝する。花茎の根出葉は花時に枯れるが,花をつけない横枝には倒披針形の葉をロゼット状につける。その葉は長さ5-7㎝,幅7-20㎜,基部へしだいに狭くなり葉柄に移行し,上部には大きな大きな鋸歯がある。中部の葉は多数,線状披針形,鋭尖頭,基部へ狭まり,無柄で長さ5-11㎝,幅6-12㎜,両面やや無毛,縁に疎らに鋸歯がある。花期は10ー11月。頭花は白色,径2㎝,枝の先に1-3個つく。枝は細くて,6-15㎜の線形の苞葉が多数つく。総苞はこま形,長さ7㎜,総苞片は4列,煉瓦状,外片は卵形,鈍頭,縁には微毛がある。 (2020.10.20)

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