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オヤマボクチ [キクの仲間]

ゴボウに似た葉
 15年ほど前になるだろうか,古老手作りの草大福をいただいたことがある。美味しさだけでなく,食感がヨモギの草餅と違う。尋ねると,すぐさま「山ゴンボで作ったんだよ」と答えた。ヤマゴボウという中国由来の植物とは別物であることが容易に分かった。奥秩父では本種やモリアザミなどを総じてヤマゴンボと呼び,山菜として珍重してきた。観光地のお土産としてヤマゴボウ(山牛蒡)の味噌漬けが販売されているが,原材料には「モリアザミ」などと表示されている。本来のヤマゴボウの根には毒があり,色水遊びなどに用いられる別種のヨウシュヤマゴボウも全草にわたり有毒である。
 本種の根を味噌漬け,葉を蕎麦のつなぎや草餅に用いる地方がある。良い個体に出会うことかできないので,7年前の写真を掲載した。和名の語源ボクチ(火口)についてはハバヤマボクチを参照していただきたい。
oyamabokuchi.jpgoyamabokuchi2.jpg
オヤマボクチ(キク科)Synurus pungens 雄山火口
 北海道西南部,本州(青森県~岐阜県,中国地方中南部),四国に分布,山地の日当たりのよいやや乾いた草原に生える多年草。茎は直立し,高さ1-1.5m。葉は長さ15-35㎝。葉の裏面には茎とともにくも毛があって白い。花期は9-10月。花冠(長さ17-21㎜)の筒の細い部分は残りの部分の半長より短い。総苞片は狭披針形,中ほどで1.5-2㎜。頭花(径3.5-5㎝)の柄は長く,やや太くて丈夫である。 (2013.9.13)

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