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ツルデンダ [シダの仲間]

久々のシダ植物
 久しぶりにカメラをシダに向ける気持ちになった。シダを学ぶ機会があったにもかかわらず,生来の怠け癖で深く学ぼうとする意欲に欠けていた。叢生している様子や無性芽(写真下)に惹かれて時間をかけて撮影した。種の詳細については,生涯をシダの研究に注がれてきた恩師のご著書を引用させていただいている。
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ツルデンダ(オシダ科)Polystichum craspedosorum 
 北海道(本土にまれ)・本州(本土のみ)・四国・九州(本土の北~中部まで)に分布,山地林下のやや湿っぽい地面や岩上に群生することが多い。根茎は小さくて短く,斜上または直立し,葉を叢生する。葉柄は鱗片をやや密につける。葉身は単羽状複生の線状披針形で,長さは10-20㎝,先端に無性芽を1個つける葉が多い。無性芽は地面に接すると根を出して成長(写真下),新しい株となる。羽片は20-35対程つき,卵状長楕円形で短柄があり,先端は鈍頭,基部前側は切形で後側はくさび形で,辺縁には浅鋸歯がある。葉質は明緑色で紙質。胞子嚢群は円形で前側の縁寄りにつき,包膜は円形で薄くて宿存し,隣同士が接触することが多い。染色体数はn=41で2倍体で有性生殖,胞子は1胞子嚢中に64個ずつ形成される。
 和名は蔓でんだで,葉先が蔓状に伸びる羊歯の意味。「でんだ」は連孕(れんだ)ともいい,「かぐま」や「へご」と同様に羊歯の古名の一つ,といわれている。別名は蔓貫衆(つるかんじゅう)。(2019.10.1)

【引用文献】
安田啓祐 著,生活環から観た日本のシダ 2018.12.25 学校図書株式会社

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