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ワタラセツリフネソウ

花には4型あり
 通常のツリフネソウによく似ているが,翼弁の上裂片が楕円形,急に細くなって濃い青紫色の凸点で終わり,突起毛を欠くこと,花序軸や花柄は無毛,などの形態的な違いから2005年に新種として発表された。遺伝子レベルの研究でも違いが確認されているという。種小名ohwadae は新種発表に尽力された大和田真澄氏への献名である。
 群落内の一つ一つの花をよく観察すると,花の内部に4パターンがあるといわれている。内部が黄色のものと白色のもの,その内部に斑点があるものとないもの,それを組合わせて4型になる。今回,その4つを探したが,無斑型が見つけられなかった。探せたのは斑点のある黄色と白色の2パターン(写真C,D)のみ,改めて根気のない人間であることを自覚した。大和田氏の観察力の鋭さは,まさに敬服の至りである。
 ※写真は上からA~D
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ワタラセツリフネソウ(ツリフネソウ科)Impatiens ohwadae 渡良瀬釣舟草
 関東地方(群馬県・栃木県・埼玉県・茨城県・千葉県)に分布,湿地や休耕田に,河川敷などに生える1年草。栃木・群馬・埼玉・茨城の各県にまたがる渡良瀬遊水池で発見されたため,この名がある。
 ふつう全草無毛,ツリフネソウ属Impatiens の日本産の種としては最も大型で,長さ2mになり,茎の下部は倒伏し,木化し,ふくらんだ節から不定根を多数出し,主茎は側枝とともに立ち上がり,高さ1mほどになる。葉は互生,菱状楕円形,長さ8-16㎝,幅4-7㎝,鋭尖頭,基部はくさび形,柄は長さ2-5㎝,鋸歯は三角状~卵形,先端は芒に終わる。花期は9-10月,葉腋から斜上した総状花序に5-12個の花をつける。花は長さ25-40(-45)㎜。花柄は長さ10-15㎜,無毛,まれに紅紫色の突起毛がある。上裂片と下裂片の分岐部付近の内面は黄色または白色,紅紫色の斑点があるかまたはない。 (2019.9.25)

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