ノシラン

過去の屋久島26
　屋久島で撮影したシダ16種を紹介してきた。未掲載のものが残っているが，写真の状態が悪いもの，また種の同定に自信がないものもある。特にオシダ科には同定不能なものがある。未練はあるがシダを終了して，残り6回は関東地方に分布していないもの，屋久島でなければ見られないものを取り上げたい。

ノシラン（キジカクシ科）Ophiopogon jaburan 熨斗蘭 
　本州（紀伊半島以西）・四国・九州・沖縄に分布，海岸近くの林内に群生する常緑多年草。葡枝は出さない。葉は長さ30-80㎝，幅1-1.5㎝の線形で厚くて光沢がある。花茎は扁平で狭い翼があり，高さ30-50㎝になる。花は白色または淡紫色で，総状に多数つく。ジャノヒゲ属Ophiopogon は碧色の果実のような種子をつけるが，本種も同様で形状は倒卵形となる。(1984.8.5)