サンカヨウ

雪渓を背景に
　雪の少ない土地に住む者として、雪渓を背景にした風景は魅力的だ。有名な雪渓でも開花や雪解けは異常に早い。同じ時期に何度も訪れているが、野生種には当たり外れがあるようだ。今年はサンカヨウの当たり年か。この花は雨に濡れると花弁が透明になる。この日は期待に反して梅雨の中休み、惜しくも透けた花弁を撮影することはできなかった。

サンカヨウ（メギ科）Diphylleia grayi 山荷葉
　北海道、本州（中部以北）、温帯より亜寒帯にかけて、落葉広葉樹林または針葉樹林にはえる多年草。撮影した自生地は林下というより低木帯に近い。多雪地帯ではこうした場所でも群生している。湿り気のある土壌環境を好むと思われる。高さ30-60㎝、茎や葉に縮れた毛がはえる。茎葉は大小大きさの異なる2個。5-7月、小さい葉に径約2㎝の花を3-10個つける。果実は白粉を帯びた藍色の液果となる。(2018.6.22)