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ザゼンソウ

激減するザゼンソウ
 秩父地方ではザゼンソウの自生地を数箇所で確認している。各自生地は荒川の各支流に注ぐ枝沢周辺に点在している。いずれも踏み入れると水が染み出るような湿地性土壌に生育している。これらの自生地の多くは、各自治体から天然記念物として指定されている。
 5年前、指定地の一つを久しぶりに訪れた。ところが花をつけた株が全くない。自生地を所有する方から「最近、葉は出るが花が咲かない」と教えていただいた。残り2箇所の指定地でも、同じように花をつける株数は激減していた。環境立市推進課を設ける自治体の指定地は、囲いも朽ちて荒れ放題である。このままでは、この自生地のザゼンソウは絶滅しても不思議ではない。
zazensou.jpgzazensou2013.jpgzazensou1994.jpg
ザゼンソウ(サトイモ科) Symplocarpus renifolius 座禅草 別名:ダルマソウ(達磨草)
 北海道、本州に分布、水湿地にはえる悪臭のある大型の多年草。世界的には北アメリカ東部、北東アジア(北東シベリア、中国北東部、朝鮮、日本)に自生し、冷帯から温帯山岳に分布している。葉は長柄があり、花後も伸びて大型になる。花は葉に先立って出る。花期は3-5月、近年では2月下旬に咲きはじめる。暗紫褐色(まれに緑色)部分は仏炎苞と呼ばれ、長さ約20㎝、径約15㎝。仏炎苞の中に見える黄色部分が花序で、密に花をつける。白い仏炎苞で有名なミズバショウとは近縁である。
 撮影当日、花をつけた株はわずか2株のみ。写真上の仏炎苞は長さ10㎝未満。年毎に花は小型化して、花をつける株数も減っている。過去に撮影した写真を中・下に添付する。いずれも仏炎苞の長さは20㎝ほどある。写真下では、奥の方にも同様の花が点在している。残念なことに群生の様子は写してない。20年以上前には、このような状況になるとは思えなかったのである。
 僧が座禅を組んでいるように見えることが和名の由来で、別名は達磨大師を連想していると思われる。開花する際、花序は発熱して約25℃に達し、周囲の氷雪を溶かすという。英語ではスカンクキャベツSkunk Cabbageという異名をもつ。(写真上2018.3.2 中2013.3.13 下<ポジフィルムからのデジタル化>1994.3)

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