フシグロ

茅場の残り花
　ススキの草原を歩いていると1㎝に満たない白い花に気づいた。大柄な植物としてはとても地味な花である。近づいてみるとナデシコ科であることが直ぐに分かった。

フシグロ（ナデシコ科）Silene firma 節黒
　北海道～九州に分布、低地から山地の日当たりのよい所に生える越年草。茎は直立して高さ30-100㎝になる。茎の節は暗紫色を帯び、この様子が和名の由来と思われる。花は茎頂や葉腋につき、花柄の長さは不ぞろいでバラバラに咲く感じだ。
　ナデシコ科と思ったのは、南アルプスの希少種・タカネマンテマを連想する雰囲気を感じたからだ。本種の属するマンテマ属Silene は日本に8種が生育しているが、その中で最も目立たない花であろう。(2017.10.1)