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チングルマ

雪解けに咲く高山植物
 高山帯では雪の積もり方が、植物に決定的な影響を与えるという。雪田のような雪解けの遅い場所は、それだけ花期が遅くなる。また、雪解けの早い年と遅い年ではひと月以上の差がある。chinguruma.jpgchinguruma2.jpg
チングルマ(バラ科)Sieversia pentapetala 稚児車
 北海道、本州(中北部)の高山帯に分布、雪渓周辺の砂礫地に生える落葉小低木。花茎は高さ10-20㎝。匍匐性の小低木で群落をつくることでよく知られているが、北岳では大雪山や白馬岳のような大群落は確認できなかった。

 花期は6-8月と長いが、雪解けの進む所から咲きはじめ、花後は雌しべの花柱を伸ばして写真下のような長い毛を持った果実となる。この様子をおもちゃの稚児車に見立てたことが、和名の由来といわれる。写真下の背景に写っているのは大樺沢の雪渓。ダイコンソウ属Geum に分類する考え方もあるが、「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)に基づきチングルマ属Sieversia とした。 (2017.8.10)

 8月10日は北岳の通称「トラバース」の高山植物を観察する予定であった。朝5時前までは予報通りであったが、日の出とともにガスがまいてきた。肩の小屋に戻り、予報を確認すると天気は下り坂とのこと。計画を断念して2900m付近まで下山してくると、突然視界が広がり富士山が見えてきた。恨めしい気持ちで見上げると、山頂方向はやはりガスで見えない。仙丈ヶ岳のある西側も同様で、ブロッケン現象が時々見える状態だ。チングルマは、この時に撮影したものである。20170810sunrise.jpg20170810sunrise2.jpg20170810fuji.jpg

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