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チシマギキョウ

高山植物を求めて
 植物分類学上、高山植物という区分はなかったように思う。垂直方向の森林分布で、樹木が見られなくなる境を森林限界というが、この上部(高山帯)と下部(亜高山帯)、加えて高層湿原に生える植物を高山植物として扱っているように思う。特に高山帯は、寒冷、多雪及び雪崩、風衝地、乾燥しやすい岩壁や礫地、強紫外線など、想像を絶する厳しい環境にある。能書きはともかく、この厳しい環境に適応し、短い生育期間の中で咲かせる花は一際美しい。
 自由の身である今、高山植物の開花に合わせて登山する時間はたっぷりあるのだが、体力の低下や山の気象条件を考えると登れる機会はますます減少する。ノロノロ台風(台風に長寿はなじまない!)の通過後、憧れの北岳を訪れるが予報が急変する。山頂部はガスで視界がきかず、止むなく下山する。花の山であることは確かであるが、写した写真は少ない。残念であるが何より安全第一、山での予定変更はとても大事なことだ。
chishimagikyou.jpg
チシマギキョウ(キキョウ科)Campanula chamissonis 千島桔梗
 北海道、本州(中部以北)に分布、高山の砂礫地に生える多年草。東北アジアからアラスカにかける北半球周極地方に広く分布、代表的な寒帯・高山植物といわれる。最初はイワギキョウと思って撮影したが、花冠の内部に軟毛があること、萼裂片が3角状披針形であることから、明らかにチシマギキョウである。横向きに開く花冠は鐘形で、長さ30-40㎜。イワギキョウの花冠は上向きに開く傾向にある。北岳では約2900mから上部の砂礫地で見ることができた。
(2017.8.9)
 

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