サクラソウ

サクラソウ探訪
　さいたま市田島ヶ原（国の特別天然記念物）のサクラソウは4月上旬に見頃を迎える。今年は日程が合わず見過ごしてしまった。標高が上がれば見られる場所は、まだあるはずである。思いあたる自生地に向かうと見頃のサクラソウに出会えることができた。

サクラソウ（サクラソウ科）Primula sieboldii 桜草
　日本のサクラソウの仲間では昔からよく知られている。北海道（南部）、本州、九州の高原や原野に分布する。いろいろな地域で群落を形成していたが、今では野生の群落は極めて珍しくなった。埼玉県の荒川中流域にあった群落もほとんどなくなった。各地の自生地は天然記念物等に指定されて保護されている。サクラソウの特徴として、夏の暑さと乾燥に弱いといわれる。昔は河川は氾濫を繰り返すことが多かったが、サクラソウは氾濫原などの湿性地に群落を形成していた。治水工事や自生地周辺の開発等で乾燥化するなど、著しく生育環境が変化している。(2017.4.27)