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腐生植物 [ランの仲間]

 散歩していると不思議な植物?に出会った。はじめて見るので家に戻り調べてみると・・・・・・
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 一週間前、散歩の時に不思議なものに気づいた。高さ約15㎝の細い棒状(写真)のものである。頭部の形からラン科植物の花期後であることが想像できた。しかも葉のようなものはなく、明らかに腐生植物である。カメラを持参していなかったので再訪し、撮影とともに同じような環境の場所を探した。疎らではあるが、10株以上が点在している。中には種子を放出して頭部の部分が裂けているものもあった。写真をもとに、図鑑やインターネット等で調べると、ヤツシロランの一種である可能性が高い。この仲間にはクロヤツシロランとアキザキヤツシロランの2種があり、両種とも茎の高さは10㎝に満たず、花期は9-10月。目立たない小さな花は、果期になると花柄を数倍に伸長するという。埼玉県植物誌(伊藤洋編 埼玉県教育委員会 1998.3)にはアサザキヤツシロランのみが記載されている。クロヤツシロランは一部の情報によれば生育範囲を広げているという。現在では環境省RDBからも除かれている。杉林や竹林などに生育するとあるが、同定には開花を待たなければならない。しかし、来年同じように咲くかどうか分からない。ラン科植物は菌類との共生が知られており、葉緑体を持たない腐生植物(最近では菌従属栄養植物ともいう)は生育に必要な栄養を特に菌類に依存している。今年9月の長雨と記録的な日照不足が菌類の生育に好影響を与えていると思われる。
 撮影地は中世の城郭跡に近く、大人一人が抱えきれないほどの巨木の杉並木にある。晴れの日でも薄暗く、蒸し暑い季節にはヤブ蚊の襲来を受ける古道である。市街地の帰りに遠回りしたため止むなく通った道であるが、思いがけない出会いであった。散歩(徘徊)は運動不足解消に始めたが、歩くことで得られる新たな発見や思いがけない気づきは、脳の活性化につながっている。(2016.11.7)
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