SSブログ

オサバグサ

念願のオサバグサロード
 日本固有の1属1種,分布も限られ不思議な植物だ。自生している地でも見られる場所は限られ,あるところでは林床一面に群生するという。和名の筬(おさ)は機織に用いる櫛形の付属具で,経糸(たていと)に装着,通した緯糸(よこいと)を打ち込んで密な織り目とするのに用いる。
 約40年前,ある本で大群落の存在を知った。今日のようなデジタル情報はなく,図鑑や文献などで調べた。
 最初の探索は1994年6月28日,爆風が荒れ狂う天候であえなく撤退,前夜27日に松本サリン事件があり,この時のことは今でも忘れられない。
 2度目は2013年6月23日,よく知られた地を訪れたが名ばかりの群落でガッカリした。
 今回3度目にして,40年前に想像した「オサバグサロード」を歩くことができたが体力の衰えも痛感,最初で最後の地となるであろう。
osabagusa.jpgosabagusa2.jpgosabagusa3.jpgosabagusa4.jpgosabagusa5.jpgosabagusa6.jpgosabagusa7.jpg
オサバグサ(ケシ科)Pteridophyllum racemosum 筬葉草
 本州中北部に分布,亜高山帯針葉樹林の林床や林縁に稀に産する。根茎は短く地上茎のないやや肉質の多年草。
 葉は柄とともに長さ10-20㎝,幅2.5-3㎝。葉はシダを思わせ,深緑色で数個根生し,広倒披針形で鈍頭,基部は細くなって短い柄となる。葉は櫛形の歯状に羽状全裂し,羽片の幅は約3㎜。
 花期は6-8月。花茎は立ち上がって高さ15-25㎝になる。花茎上に長さ5-15㎝の総状花序を頂生する。小花柄は長さ10-15㎜。花弁は長楕円形で4個あり,長さ約5㎜。雄蕊は4個,花柱は細く,柱頭は2深裂。果実は蒴果。(2023.6.18)


nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。