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ハッポウタカネセンブリ [リンドウの仲間]

類似する亜種を意識して
 本変種を始めて見たのは秋の八方尾根を訪れた9年前のことである。下山後,林道途中の標高約1000m付近でひょろっと伸びた植物があった。花は数輪のみ,明らかに花期を過ぎていたが青紫色の小さな花が印象的だった。
 今回,花冠裂片が萼裂片と同長か少し長いタカネセンブリsubsp. micrantha が白馬岳で記録されているので,時間をかけて観察した。写真D・Eの萼裂片はA~Cよりも比較的長いが,タカネセンブリほどではない。タカネセンブリやチシマセンブリsubsp. tetrapetala var. tetrapetala と見比べたいが,これらの自生地を訪れるには困難が多すぎる。可能なのは北地の海岸に生えるチシマセンブリぐらいかもしれない。
※ 写真は上から順にA~E
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ハッポウタカネセンブリ(リンドウ科)Swertia tetrapetala subsp. micrantha var. happoensis 八方高嶺千振
 本州(中部地方)に分布,亜種タカネセンブリ(別名ヤケイシセンブリ)subsp. micrantha の変種で,タカネセンブリよりも大きくなる傾向があり,高さ10-40㎝の1年草~越年草。
 茎葉は3角状披針形で対生,柄はない。
 花期は7-9月。茎頂及び枝先にやや密に円錐花序をを着ける。花は4数性で,花冠裂片は青紫色,長楕円形で鈍頭,萼裂片よりも長い。裂片には1個の蜜腺溝がある。蜜腺溝の縁には小突起がある。北アルプス八方尾根を中心とした超塩基性岩の蛇紋岩地に特産する。(2022.8.9)


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