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イヌカタヒバ [シダの仲間]

危急種が逸出
 ハイキングコース約10mにわたり群生していた。最初はカタヒバと思って通り過ぎたが,葉の雰囲気が異なること,葉の先端が膨らんでいることで撮影した。一部の個体は紅葉していた。
 帰化植物図鑑には「人家の石垣などに逸出し,本州各地で増殖しつつある」「晩秋になると,植物体全体が赤褐色を帯び紅葉する」と記述されていた。
 「先端の膨らみ」は水生植物が形成する「殖芽」と同じようなものと思われる。日当たりの良いところに生育する個体が紅葉していた。

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イヌカタヒバ(イワヒバ科)Selaginella moellendorffii 犬片檜葉
 東南アジアから東アジアにかけての熱帯,亜熱帯に分布し,日本では八重山列島の石垣島・西表島に分布,林下の岩上や樹幹に生じる常緑草本。地下茎は泥やコケの間を匍匐し,径約1.2㎜,藁色で圧着した葉を疎らに着け,ところどころに根を生じ,先端はしだいに地上茎となり,3-4回分岐して葉身状となる。葉柄に相当する部分は葉身状の部分とほぼ同長,葉身状の部分は広卵状三角形で鋭頭,長さ12-25㎝,幅5-10㎝。葉は主茎の基部では疎らに着いて圧着し,藁色,同形で,左右相称,先端は次第に細くなって鋭頭,全縁,中肋もはっきり見える。枝の葉は二形,背葉は基部は不整,卵形で先端は芒状となり,辺縁は顕著な膜があり,微毛がある。腹葉は卵形で鋭尖頭,基部は不整。胞子嚢穂は小枝に1個頂生し,長さ5-15㎜,胞子葉は同形,卵形で鋭尖頭,膜縁で鋸歯がある。
 産地が極限され,個体数が少ないうえに,生育地が脅かされている危急種である。
 カタヒバによく似ているが,背葉の辺縁が白膜となって縁毛をもち,先端が芒状となることでも区別される。(2021.11.2)

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