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メヤブソテツ [シダの仲間]

今秋の被写体はヤブソテツ属
 今年の秋は秩父盆地内に居座り,自宅周辺の観察に留まっている。キク科の見頃は過ぎて最低気温も5℃を下回った。まもなく初霜の季節を迎え,自ずと花の咲かない植物が被写体となる。
 埼玉県西部の低山帯ではヤマヤブソテツやヤブソテツが優占するが,まれに本種が分布している。鮮緑色の葉は今年の葉で胞子嚢群も未成熟である。
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メヤブソテツ(オシダ科)Cyrtomium caryotideum 雌藪蘇鉄
 本州(栃木県~千葉県,静岡県~和歌山県,広島県,山口県)・四国・九州(本土の北~中部)に分布,山地林下~陽の当たる崖や斜面に生育する常緑性のシダ。石灰岩や蛇紋岩の岩隙や崖などに垂れ下がり,群生はしない。関東地方南部には貝化石を含む砂岩の崖に生育している場所があるので,本種が石灰岩を含む基物を好むのは確かであろう。
 根茎は短く斜上し,葉柄基部とともに暗褐色の鱗片を密生する。葉身は大きい頂羽片が発達した羽状複生の狭長楕円形で,長さ50㎝に達し,側羽片は2-6対。側羽片は短柄があり,鋭尖頭,基部の前側または両側に耳状突起があり,辺縁には小棘状の鋭鋸歯がある。葉質は革質で光沢はない。葉脈は数列の網目を作り,遊離脈は2本以上ある。胞子嚢群は円形で羽片の裏面中に散生するが,羽片の中肋に着く傾向がある。包膜は円形の盾状で灰白色だが,中心部はやや暗褐色を帯びることがあり,辺縁には不規則な鋸歯片がある。
 染色体数は n=2n=123 で3倍体,アポガミーである。(2021.10.14)

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