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ヤブソテツ [シダの仲間]

ヤブソテツ(狭義)を探す
 本種は自宅周辺の丘陵や河岸段丘崖などで普通に見られる。ところが,狭義とされる典型的なヤブソテツは意外に見つからない。図鑑(日本の野生植物・シダ,1992,平凡社)では下記のように示されている。
 羽片は(5-)10-15(-20)対,幅4㎝に達し,基部に耳状突起がある・・・ヤマヤブソテツ
 羽片は15-30対で,幅3㎝以下,基部に耳状突起は発達しない   ・・・ヤブソテツ(狭義)
文面は理解できても,この両種が生えている自宅周辺では,羽片が15~18対の個体が多く判断に迷う。耳状突起が発達したり,しなかったり,さらには葉の色や光沢も様々で区別は難しい。広義及び狭義という分類が存在することに納得する。
 20対以上あるヤブソテツを荒川に下りる路傍でようやく見つけた。
yabusotetsu.jpgyabusotetsu2.jpgyabusotetsu3.jpg
ヤブソテツ(オシダ科)Cyrtomium fortunei var. fortunei 藪蘇鉄
 本州(本土,粟島,佐渡,淡路島,隠岐)・四国(本土,小豆島)・九州(本土,対馬,壱岐)に分布,山地~低地までの林下や林縁,路傍などやや明るい場所に普通に生え,群生はしない。根茎は塊状で直立し,葉を叢生する。葉柄は藁色で基部には同様な黒褐色~黒色で光沢のある細長い鱗片がある。葉柄の上方へ行くほど鱗片は細くなる。葉身は単羽状複生の披針形で明瞭な頂羽片があり,広披針形~狭長披針形の側羽片が15-30対ある。側羽片は幅3㎝以下,鎌形に曲がり,基部前側は耳状に突き出し,辺縁は不規則な波状縁で両面にうねり,先端には鋸歯がある。葉質は明緑色~濃緑色の薄い紙質で強い光沢がある。羽軸の表面は紫褐色を帯びることが多い。胞子嚢群は円形で裏面全体に散生し,包膜は灰白色のほぼ全縁で,中心も灰白色のものが多いが,ときに黒褐色を帯びて色の濃さや大きさは変化がある。
 染色体数は n=2n=123 の3倍体,アポガミーである。(2021.10.18)

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