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ヤマヤブソテツ [シダの仲間]

様々な変種あり
 ヤブソテツ属Cyrtomium を図鑑の検索表で追っていくと,ヤブソテツ(広義)は “羽片の数は多く,普通10対以上,幅が広くても4㎝位” とある。検索を続けると,ヤブソテツ(狭義)var. fortunei は “羽片は15-30対,幅3㎝以下,基部に耳状突起は発達しない” とある。さらに,ヤマヤブソテツ var. clivicola  は “羽片が(5-)10-15(-20),幅4㎝に達し,基部に耳状突起がある” と解説されている。
 自宅近くに両種が生えるところがあって観察すると,15対を境にヤブソテツとヤマヤブソテツが分かれることは少なく,耳状突起もあったりなかったりで,やはり var. がついているだけのことはある。典型的な個体を選んで撮影した。分類には様々な考え方がある。
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ヤマヤブソテツ(オシダ科)Cyrtomium fortunei var. clivicola 山藪蘇鉄
 北海道(本土の西南部)・本州(本土,飛島,粟島,佐渡,淡路島,隠岐)・四国(本土,小豆島)・九州(本土,対馬)に分布する常緑性のシダ。ヤブソテツよりも山地に生育することが多く,やや薄暗い林下にも見られる。ときに人里や大都市の市街地の屋敷の石垣や公園の置石などにも生える。親株や同様な環境の場所には幼植物が見られ,他種の幼植物と一緒に生えることがよくある。ヤブソテツに比べて,側羽片が少なく(5-15対),羽片の幅は広く,前後の羽片の間に間隔ができる。葉質は紙質でややかさつき,淡黄緑色で光沢はほとんどない。胞子嚢群は円形で裏面中に散生し,包膜は灰白色で辺縁は不規則に凹凸する。
 染色体数は n=2n=123 の3倍体でアポガミーである。
(2021.9.30)

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