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イヌガンソク [シダの仲間]

葉は二形
 シダ植物では葉の裏面に胞子嚢を着けるものが一般的であるが,胞子嚢をつける葉(胞子葉)とつけない葉(栄養葉)がはっきり分化しているものもある。この場合,葉は二形であるという。本種は二形の葉をもつシダで,短い4本の胞子葉が栄養葉の付け根から出はじめている。イワデンダ科コウヤワラビ属Onoclea に分類する考え方もある。
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イヌガンソク(コウヤワラビ科)Pentarhizidium orientale 犬雁足
 北海道~九州に分布,温帯~暖帯の山地の林下~林縁,斜面の真下の崩落が堆積した場所,人里近くの路傍など人為的に攪乱された環境に普通に生育し,やや湿り気のある場所に多い夏緑性のシダ。晩春~初夏に栄養葉が展開し,胞子葉は秋以降に展開する。根茎は短く,匍匐または斜上して,葉を混みあってつける。鱗片は膜質で光沢のある淡褐色の広披針形~線状披針形。葉は二形,栄養葉は胞子葉よりも大形で,葉柄は短い。葉身は単羽状の卵状状楕円形で長さ30-80㎝,幅20-40㎝,下部の羽片は少し短くなり,最下羽片はやや斜め下向きにつき,羽片は浅~中裂,葉脈は全て遊離脈となる。短い胞子葉は冬季になっても枯葉で残る。 (2020.8.25)

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