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キイムヨウラン [ランの仲間]

ムヨウラン類3
 紫色のホクリクムヨウランで驚いたのも束の間,鮮やかな黄色の植物体にこの日2度目のビックリ。まれにしか見られないムヨウラン類の連続遭遇は,神憑り的でやや恐ろしさを感じたほどである。花はホクリクムヨウラン同様あまり開かない。この自生地の株は全て開かず,最後まで斜開することもなかった。暖温帯の常緑広葉樹林床下に生えるというが,当自生地は落葉広葉樹林下にある。本県ではエンシュウムヨウランが近年確認されているため,花色変異品キバナエンシュウムヨウランを疑ってみたが,参考文献等から本品種をキイムヨウランと仮同定した。ムヨウラン類1・2と同様,写真画像を送信して同定をお願いした。
kiimuyouran20_1.jpgkiimuyouran20_2.jpgkiimuyouran20_3.jpg
キイムヨウラン(ラン科)Lecanorchis hokurikuensis f. kiiensis 紀伊無葉蘭
 本州(関東以西),四国,九州に分布。暖温帯の常緑広葉樹(当自生地は落葉広葉樹林)林床下に生える菌従属栄養植物。開花時の高さ20-40㎝(写真の個体は29㎝)。植物体全体が黄色く目立つ。花期は5-6月,3-8個の花をつける。花はあまり開かない。花被片は長さ約2㎝。
 本種にはムヨウランの変種とする考えと,ホクリクムヨウランの花色変異品種という,2つの見解がある。拙ブログでは後者を用いた。花色はキバナエンシュウムヨウランによく似ているが,全体に大きい。本品種は1974年に和歌山県新宮市で発見され,1975年に村田源により記載された。和名は発見地に因む。
(写真上・下2020.6.9 写真中2020.6.7)

【参考文献等】
遊川知久,2015.日本のラン ハンドブックⅠ 低地・低山編.4.p135.,文一総合出版
芹沢俊介,2005.愛知県のムヨウラン類.日本植物分類学会.5(1):33-38.
米倉浩司・梶田忠(2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList),http://ylist.info



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