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フラサバソウ

春めく盆地
 3月に入り、秩父地方の天候は周期的に変わり,雨も降るようになった。奥秩父の標高1500m以上は遅い雪化粧となったが、盆地の気温は4月を感じさせる。今朝も霜が降りているが,カタクリが地表から芽を出しはじめた。記憶にない早さで季節が進んでいる。
 渇水の影響で元気のなかったイヌノフグリが気になり、いつもの自生地を訪れた。2月下旬とは全く異なり、生き生きとした花をみて安堵する。近くにも同様の小さな花(径3-4㎜)が咲いているので注意深く見ると明らかに別種、秩父地方では比較的少ない帰化植物と分かった。三脚を持たない散歩中、久しぶりに手持ちのMF撮影に挑んだ。
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フラサバソウ(オオバコ科)Veronica hederifolia 
 ヨーロッパ原産で世界の温帯に広く帰化している越年生草本。葉を含む全体に白い軟毛を布く。茎は基部で分岐し、匍匐して長さ50㎝に達する。葉は短い柄を持ち茎の基部を除き互生、縁に5鋸歯がある。春、葉腋に直径5㎜ほどの淡青色の花を単生し、花冠は萼とほぼ同長。子葉が花期に生存する点でオオイヌノフグリなどと識別できる。幕末に日本で植物採集したフランス人のP.Savatier とその採集品を研究した A.Franchet の共著「日本植物誌(1875)」に長崎産品が記載された。第二次大戦後、長崎県甑島で再確認され、両氏を記念した和名がつけられた。現在では北海道~沖縄県に分布、関東地方以西に多い。クロンキスト及びエングラー体系ではゴマノハグサ科に分類されている。 (2019.3.12)

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