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ゲンカイイワレンゲ

特定の環境にはえる植物
 今日は今回の花巡りで最後に見られた植物を紹介したい。帰路途中に稀少な植物があることを知り、花をつけていないことを承知の上で訪れた。本種の花期は遅く、11-12月といわれている。わずかに蕾ができているが、この花が咲く頃には他の花は散ってしまう。
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ゲンカイイワレンゲ(ベンケイソウ科)Orostachys malacophylla var. malacophylla 玄海岩蓮華
 九州北部に分布、海岸まれに内陸の岩上にはえる多年草。開花すると枯死する一稔性植物。葉が鮮やかな緑色で、白色を帯びないことが特徴。北海道、本州(東北地方)に分布するアオノイワレンゲO. malacophylla var. aggregeata に似ているが、より大型といわれる。両種を種として区別しない考え方もある。環境省カテゴリでは絶滅危惧Ⅱ類(UV)に指定されている。

 撮影地は陸に近い小島で、たどり着くには潮汐の時間が関係する。この日の天候は初冬を感じさせ、強い北西の季節風と時雨模様。そのため、自生地の目前で車内に待機していた。その間、潮は引きはじめて撮影するころには干潮の時間帯となった。自生地は南東向きのごく一部の岩場に限られる。おかげで厳しい季節風の当たらない温かい場所でゆったりと観察できた。はえている岩場は、わずかな棚状部分であることが分かった。ここに落ち葉などの有機物が堆積することで、本種が根付くような条件となるのだろう。(2017.11.4)

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