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ヒメセンブリ [リンドウの仲間]

リンドウ科稀産種の花巡り1
 高山帯ではウラシマツツジの紅葉がはじまったという情報が入った。この植生帯では、いよいよ最後の花が咲く季節になってしまった。数年来の念願の一つ、この季節に咲くヒメセンブリやサンプクリンドウへの思いがより募ってきた。不順な天候に惑わされてきたが、ようやく安定した天気到来に行動開始。
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ヒメセンブリ(リンドウ科)Lomatogonium carinthiacum 姫千振
 本州中部(南アルプス、八ヶ岳)に分布、高山帯の礫地や草地に生える1年草、越年草。茎の高さは2-10㎝と小草である。センブリ属Swertia に似るが、柱頭の位置が異なることなどでヒメセンブリ属Lomatogonium (1属1種)として別属に扱われている。また、センブリ属とサンプクリンドウ属Comastoma の中間的性質をもつといわれている 
 限られた分布と少ない個体数で見つかれば幸運と思い、出会える可能性の高い自生地を訪れた。これほど簡単に見つかるとは思わなかったが、好天にも恵まれて多くの個体が開花していた。朝は霧に被われていたが10時ごろから青空が出てきた。おかげでいろいろなタイプのヒメセンブリを堪能することができた。1年草及び越年草であること、厳しい環境に生育することを考えれば、あっという間に激減してもおかしくはない。環境省カテゴリでは絶滅危惧ⅠB類(EN)に指定されたいる。
 上から4つ目の写真では、中央の雌しべに沿下して白ぽい帯状部分が確認できる。この部分が受粉する柱頭で、センブリ属との大きな違いである。赤く見えるのはダニの一種と思われる。
 最下段の写真は、ここから標高を少し下げたところで撮影したものである。一際赤く見えるのが紅葉したウラシマツツジ。典型的な秋晴れに澄み渡る青空を期待していた。しかし、あまりにも多くのことを望むのは欲深すぎる。ヒメセンブリを堪能できたことで十分だ。 (2017.9.10)

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