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ツクモグサ

憧れの花を求めて
 人それぞれ、実際に見てみたい花があると思う。今日紹介する私の憧れの花は三度目。最初は2016年6月4日の八ヶ岳・横岳。この年は記録的な暖冬で5月中に見頃を迎えた。一般に八ヶ岳の見頃は6月上旬から中旬といわれている。二度目は2016年7月11日の白馬岳、唯一の咲き残りを観察した。頂上部に近い尾根筋で咲くツクモグサは、自生する山が限られ、花期が非常に早い。咲きはじめの花に出会うには、雪が残る山に入らなければならない。花期を迎えても十分な日照とある程度の気温がならないと花は開かない。梅雨時に咲くことから、天候に恵まれなければ出会えないなど、ハードルの高い植物だ。横岳周辺は鎖場や鉄梯子もあり、何より安全第一である。
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ツクモグサ(キンポウゲ科)Pulsatilla nipponica 九十九草
 北海道、本州中北部の高山帯に生える多年草。北海道以外では、八ヶ岳、白馬岳、雪倉岳の一部に分布、氷河期の終わりとともに一部の高山帯で生き延びてきた遺存種ともいわれている。城数馬(弁護士、東京市議会議員、植物愛好家、登山家)が1902年に八ヶ岳で発見、命名したといわれている。登山装備や登山道の整備が貧弱であった100年も前、この地で発見されたことを想像すると胸を熱くするものがある。
 咲きはじめは、草丈は低く花弁状の萼片のみが目立つ。鶏のひよこを思わせるたくさんの毛をまとい、花の最も美しい頃だ。開花期は氷点下になることも多く、花は痛みやすい。その後はパセリに似た葉を展開して、茎も伸びていく。写真上は、この日唯一開いていたもの。300mmの望遠レンズで撮影したが、私の技術ではここまでが限界だ。自生地への立入は厳禁である。晴れていても日陰のもの(写真中)は閉じたまままである。写真下は、茎が伸びて見頃を過ぎたものであるが、自生地の様子を写したつもりだ。ツクモグサ周辺にある楕円形の葉はチョウノスケソウである。今年は、全般的に花期が遅れているが、新鮮な花を見るにはやはり遅かった。
(2017.6.13)

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