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キタミソウ

kitamisou1.jpgkitamisou2.jpgkitamisou3.jpg 草丈は5㎝に満たず、多くは3㎝前後、茎は細く泥の上をはって所々に株をつくる。花は直径2-3㎜で、植物に関心が薄ければ気づくことはないだろう。1901年北海道北見市で発見されたことからこの名がつけられた。日本では埼玉、群馬、栃木、茨城、奈良、熊本のごく一部だけに分布する希少な植物で、絶滅危惧Ⅰ類に指定されている。ツンドラ地帯に広く分布、氷雪がとけた湿地で花をつける。日本へは渡り鳥などによって種子が運ばれたと考えられている。亜熱帯に近い日本の夏を越すのは厳しいことであるが、埼玉県の自生地では堰で貯水された川底で休眠して凌ぐという。秋に水が抜かれて水底が現れると、休眠状態の種子が発芽して繁茂する。
 写真上は川底に現れたキタミソウ、中は繁茂した株から花をつけたキタミソウ、下は花の拡大である。撮影地は埼玉県東部中川水系・元荒川の支流で、下流の堰によって農繁期には湛水されて自生地は水に沈む。コンクリート製の護岸ではなく、昔ながらの河川敷が残されている。はるか遠方に秩父連山、上州三山、日光連山を望む田園にあり、キタミソウの自生地に配慮した水辺整備事業が進められてきた。(2016.11.4)


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