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シラタマホシクサ

東海地方の花巡り3
 3番目も湧水湿地に自生する植物で、ミカワシオガマと同じ場所で観察したものである。
siratamahoshikusa1.jpg 花茎を長く伸ばし、まとまって咲くさまは「白玉星草」の名にふさわしい。siratamahoshikusa2.jpgsiratamahoshikusa3.jpgホシクサ科の植物で、湿地に生える無茎の1年草。葉は線形で長さ14-20㎝、幅1-3㎜。花茎は1-5個あり、髙いものは20-40㎝、4肋で少しねじれる。頭花は球形で6-8㎜。本州(静岡県・愛知県・三重県)の伊勢湾の北部に面する地方に集中しており、ほかではみられないのは興味深い。(抜粋「日本の野生植物」:平凡社)
 現地の方から「花茎が稜のあるらせん状をしていることで強度が保たれている」という説明があった。単なる一本の花茎ではなく、細部にわたって生き残る仕組みを備えているのが自然の驚異である。

 東海丘陵要素植物は、主に東海地方(愛知県、岐阜県、三重県、静岡県)の丘陵地帯の湿地やその周辺の痩せた土地などに生育している植物です。これらは祖先となる種がこの地方独特の地殻変動により、特有の進化を遂げたものや古い時代から生き残ってきた植物です。これらの植物は、他の植物との競争に弱く栄養が乏しい場所や日当たりのよい場所によく見られます。またこれらの世界でこの地域でしかみられない貴重な植物たちであり、国や県の絶滅危惧種に選定されているものもあります。(抜粋「東海丘陵湧水湿地群」:豊田市環境政策課)

 東海丘陵湧水湿地群のような小さな湿地は、環境の変化により短時間で消失する。関東でも谷津、谷戸などの地名が残っている。丘陵地が浸食されてできた谷間の低湿地ことで、同様な環境と思われる。湿地は、開発による環境破壊、耕作放棄などによる環境悪化で減少の一途である。貴重な湿地を訪れて、地元市民の意識の高さとそれに応える行政の力を感じた。貴重な植物に出会った感激とともに、様々なことを考えさせられた花巡りとなった。 (2016.10.12撮影)


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