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エドヒガン

春彼岸に咲く
 古来から日本人に馴染み深いサクラには多くの栽培品種が生み出されてきた。野生でも種間交雑が起こることから素人では理解できないほどの品種があるという。一方,野生の独立種は10種程度といわれる。
 数年前から身近に咲く自生のサクラを気にかけるようになった。秩父地方でのエドヒガンは彼岸を過ぎて開花し,ソメイヨシノの開花は1週間から10日ほど遅れた。近年では文字通り彼岸の頃に見ごろになる。城址,旧家周辺には名木や巨木が残っている。できるだけ野生と思われる個体を選び,エドヒガン群の花柄と萼が明瞭になるように撮影した。山腹斜面に自生しているものが多く,尾根や稜線,頂上部ではほとんど見られない。edohigan.jpgedohigan2.jpgedohigan3.jpgedohigan4.jpgedohigan5.jpgedohigan6.jpg
エドヒガン(バラ科)Cerasus itosakura var. itosakura f. ascendens 江戸彼岸 別名 アズマヒガン,ウバヒガン
 本州,四国,九州に分布,山地に生える落葉高木。高さ15-20m,直径1mほどになる。樹皮は暗灰褐色,縦に浅く裂ける。葉は互生,葉身は長さ6-12㎝,幅3-5㎝の長楕円形~狭倒卵形。先端は尖り,基部は広い楔形。縁には鋭い重鋸歯がある。葉柄は長さ2-2.7㎝,上向きの毛が密生する。蜜腺は普通葉身の基部に着くが,葉柄の上部に着くものもあり,着かないものもある。花期は3-4月。葉が展開する前に開花する。淡紅色まれに白色の花を散房状に2-5個着ける。花は径約2.5㎝,5花弁,楕円形~倒卵形で先端に切れ込みがある。萼筒は紅紫色で丸く膨らみ,上部がくびれた壺形。花柄は長さ1-1.4㎝,萼と花柄には開出毛が密生する。果実は核果,径約1㎝の球形,5-6月に黒紫色に熟す。寿命の長いサクラで天然記念物に指定されている名木や巨木が多い。(2023.3.19)


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