SSブログ

シケチシダ [シダの仲間]

湿気地(しけち)のシダ
 自然豊かな里山を流れる小川の源流域に群生していた。以前はシケシダとの名が紛らわしく,混同することが常で写真に撮ることもなかった。記憶力も年々衰えるが,日々成長する孫に触発されて一念発起。この日,遠足で訪れた低学年の小学生たちも自然の中で生き生きと活動していた。
 裂片の形,羽軸の基部,包膜のない胞子嚢群,二叉になる胞子嚢群を意識して撮影した。

shikechishida.jpgshikechishida2.jpgshikechishida3.jpg
シケチシダ(メシダ科)Athyrium decurrenti-alatum 湿気地羊歯
 本州(岩手県~秋田県以南,佐渡,淡路島)・四国・九州(本土,屋久島)に分布,暖帯低山地の林下で空中湿度が高く,やや陰湿な場所の地上に生え,ときに群生して夏緑性草本。暖地ほど多い。
 根茎は匍匐し,葉は混みあってつける。鱗片は膜質で褐色の披針形,葉柄の基部は膨らみ,通常は緑色だが紅紫色を帯びるものがかなりあり,褐色の鱗片を疎らに着け,有節毛もある。葉身は2回羽状中裂~複生の広披針形~楕円形で切れ込みが深いものでは小羽片が羽状中裂になる。羽片は長楕円状披針形の無柄で,下部では対生し,上部は互生する。小羽片の基部は羽軸に流れて狭い翼となり,鈍頭~円頭。葉質は緑色の薄い草質で上面に光沢があり,裏面は色が薄い。中軸,羽軸,小羽軸の裏面には鱗片があるが,無毛または多細胞毛のものもある。胞子嚢群は小羽片の中肋と辺縁の中間またはやや中肋寄りに着き,通常長楕円形~線形だが,しばしば1個の包膜群が二叉してY字状になることがあり,包膜を欠く。
 染色体数はn=80の4倍体で有性生殖。
 標準学名はメシダ科メシダ属Athyrium であるが,イワデンダ科シケチシダ属Cornopteris として分類する考え方もある。
(2021.11.2)

nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。