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キヌガサソウ

4年前の写真から②-大雪渓の末端で
 深山の湿った場所に群生することが多い。何度も訪れている大雪渓の末端では,雪解けしたところから咲きはじめる。白い花弁のように見えるのは外花被片(萼片),内花被片は黄色の雄蕊よりも少し長く,糸状で目立たない。
 アイゼンをつけた登山者から大雪渓をバックにした撮影を頼まれることがある。私はここから先に進む気持ちにはならない。雪渓には音もなく滑り落ちてきた大きな落石が点在している。
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キヌガサソウ(シュロソウ科)Kinugasa japonica 衣笠草
 本州に分布,亜高山に生える多年草。根茎は太く,茎は高さ30-80㎝。葉は8-10個輪生し,倒卵状楕円形または広卵披針形で長さ20-30㎝,両面無毛で,柄はない。花期は6-8月,茎頂に1個の花を着ける。花は径6㎝内外,外花被片は7-9,普通8個で,長さ3-4㎝。花弁状ではじめは黄白色であるが,のちにピンク色になり,終わりに淡緑色になる。内花被片は外花被片と同数で,長さ10-15㎝で,あまり目立たない。雄蕊は花被片とほぼ同数で,長さも同長。葯は線形で長さ5-8㎜,花糸とほぼ同長。花柱は8-10個。液果は球形で暗紫色に熟し,芳香と甘味があって食べられる。和名は傘状に広がる葉を,昔,貴人にさしかけた衣笠に例えたことによる。古くはエンレイソウ属 Trillium に,クロンキストやエングラー分類体系ではユリ科のツクバネソウ属 Paris に扱われている。(2015.7.3)

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