ブログ開設以来、最初の新年を迎えます。本年もよろしくお願いいたします。
平成29年は丁酉。「酉」は口の細い酒壺を描いたもので、収穫した作物から酒を抽出する意味や収穫できる状態を表すようです。また、「とり」は「とりこむ」といわれ、商売などでは縁起の良い年となっています。何はともあれ、災いのない穏やかな一年であって欲しいと願うばかりです。
- あいさつ
ニョホウチドリ(ラン科)Ponerorchis joo-iokiana 女峰千鳥
十二支の酉は鶏のことであるが、これに因む野生植物が思いつかない。鶏から鳥類全体に対象を拡げて、「千鳥」を取り上げた。
園芸の対象として有名なウチョウランと同じ仲間であるが、花がより大きいことや唇弁の3裂が浅いことが違いとなる。本州(中部地方、関東北部)の亜高山帯の草原に生える希少種。この場所の花期は例年7月10日前後、季節の進み具合を考慮して早めに訪れた。天気予報に反して、ルートの途中から霧雨で視界が悪く下山も考えたが、登山口で一緒になった地元の方と強行した。新年早々言い訳がましいが、霧雨が降り続く条件下、カメラを気にしながらの撮影であまり良い写真ではない。
和名の由来は、日光市北部の女峰山で1900年(明治33年)、山野草愛好家 城数馬(じょう・かずま)と画家 五百城文哉(いおき・ぶんさい)の二人によって発見されたことによる。鑑定を依頼された牧野富太郎は新種として同定した。種小名にはjoo-iokiana として二人の名が刻まれている。(2016.7.4)