チチブシロカネソウ(キンポウゲ科)Enemion raddeanum 秩父白金草
分類上は1属1種、チチブシロカネソウ属Enemionの植物である。別名オオシロカネソウ。花弁がなく、めしべが3-5本であることなどがシロカネソウ属Dichocarpum(萼片より小さい花弁が5枚、めしべ2本)との違いである。花期は5月、花は上向きで清楚な美しさがある。5枚の白い花弁状は萼片(径は約1㎝)で、草丈は25-35㎝。秩父市で発見され、その後関東周辺でも観察されている。石灰岩地や蛇紋岩地のやや湿った林下で観察されることが多い。地元の植物研究家によれば、最初の発見地・秩父では個体数が激減しているという。一説には鹿の食害も原因しているようだ。環境省RDBカテゴリでは「なし」であるが、埼玉県では絶滅危惧Ⅰ類に指定されている。(2016.4.27)