オオチャルメルソウではなくヤマトチャルメルソウ
 一度は「オオチャルメルソウとチャルメルソウを比較」として掲載したところ,拙ブログの読者から「オオチャルメルソウは九州のみの自生」というご指摘を頂戴した。根拠となる文献等を検索すると「日本産チャルメルソウ属および近縁種(ユキノシタ科)の自然史」(奥山雄大.2015)という論文が見つかった。論文には次のような記載があった。
 従来近畿地方に分布するオオチャルメルソウとされていたものだが,著者による分子系統解析と交配実験の結果,四国,九州のオオチャルメルソウとは全く異なる種であることが明らかとなった(Okuyama and kato 2009)。近畿の大和地方が分布の中心であるため,この和名を与えた。雌性両全性異株。なお,開花期であれば形態でも花序あたりの花数,花弁の分裂数,雌蕊の形状などでオオチャルメルソウとは比較的容易に区別できる。また本種はオオチャルメルソウとと異なり,ミカドシギキノコバエの訪花を受けない点で生態的にも異なっている。また花には鼻で感じられるにおいがほとんど無くライラックアルデヒドも放出しない。<以下略>
 ここでは学名は標準ではなく,根拠となる論文に従って異分類のものを引用した。