高山の岩礫地を彩る8
 高山帯ではふつうに見られるシナノキンバイ、ここで取りあげたのは群落の規模とその状態にある。北岳の草すべり(白根御池~小太郎尾根稜線)という場所には圧巻のお花畑があったという。シナノキンバイ、クルマユリ、イブキトラノオなどが咲き乱れ、草を滑るような状態であったことから名づけられたようだ。現在は、食害防止ネットが一部を囲み、それ以外はマルバタケブキやバイケイソウの群生に変わった。数十年前の大規模雪崩が発端で、その後の鹿による食害が追い討ちをかけた。
 今回、北岳山荘に向かう南東斜面で「昔の草すべり」を思わせる群生に出会った。1枚の写真では表現できないので上方、水平方向、下方と3つのアングルに分けて撮影した。