エンビセンノウ

朱色の燕尾
　いつものことだが、自然の造形の美しさには感動することが多い。燕尾を思わせる形を図鑑で見てから、ずっと興味をもっていた花である。

エンビセンノウ（ナデシコ科）Silene wilfordii 燕尾仙翁
　北海道（日高）、本州（青森県・長野県・山梨県・埼玉県）に分布、山地から亜高山帯の湿った草原に生える多年草。深紅色の花弁は5枚で深く切れ込む。この花弁の形が和名の由来である。
　図鑑等では埼玉県も分布の一つであるが、埼玉県植物誌（1962年3月）と埼玉県植物誌（1998年3月）には未記載、詳しい方に聞いても見たことがないという。本県に隣接した長野県が自生地として知られているが産地は少なく、環境省カテゴリでは絶滅危惧Ⅱ類（VU）に指定されている。 (2017.8.29)