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ゲンゲ(マメ科)Astragalus sikokianus
ゲンゲというよりレンゲ、レンゲソウ(蓮華草)の方が馴染みであろう。マメ科ゲンゲ属に分類される越年草、中国原産である。ある年齢以上の者には、春といえばゲンゲ畑を思い出すだろう。昭和の時代では「春の風物詩」であったが、化学肥料が便利に使われる今日では減少してしまった。わらべ歌や「春の小川」にも歌われ、春の季語である。ゲンゲの根には根粒菌の働きで球形の根粒がつくが、窒素の固定力が非常に強い。初秋の頃、水田の水を抜いた後に種を蒔き翌春に花を咲かせる。これを水田の緑肥、牛の飼料、養蜂の蜜源として効果的に利用していた。
今春、キバナノサバノオのために比良山系を訪れていた時、代掻きをする広大な田園に懐かしい風景が広がっていた。通過する湖西線の列車の音が心地よく、春霞で煙る比良山系の山並みが優しい。ここは近江米の生産地、水田からの濁水、化学肥料や農薬はやがては琵琶湖に流入する。琵琶湖の環境に配慮する栽培技術が導入されている。(2016.4.24)