SSブログ

ホソバトリカブト

秋の気配
 日中は相変わらず蒸し暑いが,夜は微かに虫の音を聞くようになった。この時期に咲く花を探すために標高2000mほどの山腹を歩いた。目的のものは見つからなかったが,トリカブトが見ごろになっていた。分類が面倒なのでいつもは避けているが,少し気持ちを入れ替えて撮影した。
hosobatorikabuto.jpghosobatorikabuto2.jpghosobatorikabuto3.jpg

続きを読む


nice!(0)  コメント(0) 

ヒメミヤマウズラ [ランの仲間]

数少ない姫
 鳳凰三山の針葉樹林帯を長く歩いた割には、ヒメミヤマウズラの個体数は少なかった。初日に数株を見ただけで、最も見栄えの良いものを撮影した。ミヤマウズラに似るが、唇弁内部の毛の有無、花柄の有無などで区別できる。
himemiyamauzura.jpg

続きを読む


nice!(0)  コメント(0) 

ミヤマウズラ [ランの仲間]

独特の斑紋
 「ミヤマ」とつくが人里に近い山地にも分布する。秩父盆地の低山でも特徴のある葉を見たことがある。薬師岳からの急な下山ルートは長い。この間、花をつけた植物はなく、退屈で苦痛な時間が長く経過した。登山口(標高1000m)が近づいたところで、やっとこの花を見つけた。少しでも先を急ぎたい気持ちもある中、一休みしながら撮影した。
miyamauzura.jpgmiyamauzura2.jpgmiyamauzura3.jpg

続きを読む


nice!(0)  コメント(0) 

イワインチン [キクの仲間]

変わった名の植物
 浅間山周辺の山で見たことがあり、変わった名前なのですぐに覚えられた。鳳凰三山の稜線ではホウオウシャジンやタカネビランジをふつうに見られるが、イワインチンの個体数はとても少ない。
iwainchin.jpg

続きを読む


nice!(0)  コメント(0) 

タイツリオウギ

鯛が大漁です
 鳳凰三山・地蔵岳でダケカンバの倒木に寄り添うようにはえていた。本種については、8月11日の記事でイワオウギと比較したので、特徴的な果実からすぐにタイツリオウギと分かった。taituriougi.jpgtaituriougi2.jpg

続きを読む


nice!(0)  コメント(0) 

オオビランジ

タカネビランジの基変種
 大小の滝が登山道から見られるようになると、岩場にピンクの花を目にするようになった。最初は標高1400mあたりで気づき、萼や茎に毛のないことを確認した。すでに花は終盤をむかえ、とても被写体になるような状態でなかった。この写真は最も標高の高い所(約2000m)で撮影した。そそり立った岩壁(写真下)で日照が限られるような別世界だ。そうした環境が花期を遅らせたのだろう。この岩壁にはイワシャジンミヤマウラボシも着生している。
oobiranji.jpgoobiranji&iwasyajin.jpg

続きを読む


nice!(0)  コメント(0) 

タカネビランジ

南アルプス周辺に咲く特産種
 タカネビランジの花期は7月下旬から8月下旬と長い。目的はホウオウシャジンだが、残り花に少し期待していた。葉が見えないほど花を密につける最盛期にはほど遠いが、無機質な岩場や真砂土にはえる様子を観察することができた。
takanebiranji.jpgtakanebiranji2.jpg

続きを読む


nice!(1)  コメント(0) 

イワシャジン

ホウオウシャジンの基本種
 南精進ヶ滝(標高1500m)を過ぎて五色の滝(標高2150m)までは急登の連続、一向に標高を稼げない。苦痛極まりないこの間、ほっと一息つける花園があった。登山道脇の絶壁にイワシャジン、オオビランジミヤマウラボシなどが着生し、英気を養うことができた。イワシャジンは標高2800m前後に分布するホウオウシャジンの基本種と考えられている。違いが分かるように撮ってみたが、この写真からは厳しい。両者の大きな違いは萼片にある鋸歯の多少にあるといわれている。イワシャジンの鋸歯数をルーペで確認すると、ホウオウシャジよりも多い。見た目には、イワシャジンにつく花の数は圧倒的に少ない。
iwasyajin.jpg

続きを読む


nice!(0)  コメント(0) 

ホウオウシャジン

鳳凰三山の稜線に咲く
 この稜線に立つには急登を強いられる。年々衰える体力から登れるチャンスはそう多くはない。盆行事を済ませると急に秋を思わせる天候となった。この稜線だけに咲くホウオウシャジンは例年より早く見ごろを迎え、すでにウラシマツツジの紅葉がはじまっていた。
houousyajin.jpghouousyajin2.jpghouousyajin3.jpghouousyajin4.jpg

続きを読む


nice!(0)  コメント(0) 

鳳凰三山

南アルプス稀産種の花巡り
 残暑お見舞いとして投稿する予定が、初雪(北海道・大雪山で8月17日)と初氷(南アルプス・北岳で8月18日)の知らせを聞き、タイトルを山名とした。鳳凰小屋に泊まった8月19日もまだ寒さを感じる天候であった。今回の目的はホウオウシャジン、8月中旬から9月にかけて咲く鳳凰三山の特産種。今日は風景写真のみで、花の写真は次回からとしたい。
 鳳凰三山(地蔵岳・観音岳・薬師岳)は北岳から見ると谷を挟んで北東方面に対峙する。北岳同様、険しい山であるが地質は全く異なり、花崗岩からなる。一部は風化して白っぽい真砂土状になり、遠くからは雪を被ったように見える。ホウオウシャジンは、こうした花崗岩の割れ目や岩陰に強かに生育している。
jizoudake.jpgjizoudake2.jpgminamisyoujingataki.jpghouounotaki.jpg

続きを読む


nice!(0)  コメント(2) 

ノカンゾウ

里山の畦に咲く
 棚田の畦道を歩いていると斜面が朱色に染まっていた。少し花期が遅れたヤブカンゾウかと思い、近づくと八重咲きは一つもない。これだけ見事なノカンゾウを見るのは、はじめてである。ワスレグサ属Hemerocallis (キズゲ属、ヘメロカリス属、カンゾウ属ともいう)の多くは、梅雨明けのころから咲きはじめるイメージがある。立秋を過ぎても見ごろが続いているのは驚きである。
nokanzou.jpgnokanzou2.jpg

続きを読む


nice!(0)  コメント(0) 

エゾミソハギ

今日は盆の入り
 秩父地方でも月遅れで盆を行っている。旧暦の盆のころ咲くことから仏前に供えられてきた。近年、その時期には見ごろが過ぎてしまう。湿地の少ない秩父地方では休耕田でよく見かける。栽培していたものが逸出した可能性が高い。
ezomisohagi.jpgezomisohagi2.jpg

続きを読む


nice!(0)  コメント(0) 

ナツエビネ [ランの仲間]

造花ではありません
 春先に房総丘陵で見たことがあるが、もちろん花はつけていない。この時期に房総の自生地を訪れるには勇気が必要だ。大嫌いなヒルの餌食になるからだ。他の自生地も蒸し暑く、この時期に山に入りたくない。やはり涼しい所に気持ちは行く。軟弱者ゆえ、楽をして観察できる自生地に足が向いてしまうのだ。
natsuebine.jpgnatsuebine2.jpg

続きを読む


nice!(0)  コメント(0) 

イワオウギ

北岳・亜高山帯の植物7ー最終
 本種は亜高山帯だけでなく、高山帯にも分布する。ここに掲載した理由が二つ、一つは、北岳の同じようなところに生育するタイツリオウギと区別すること。もう一つは、数年前まで北岳の亜高山帯にあった群生地の消滅についてである。消滅はシカの食害によるものだ。北岳をはじめとする南アルプスでシカの食害が甚大な影響を及ぼしていることを感じる花巡りでもあった。この山をよく知る方が「数十年間と比べ花が十分の一になってしまった」と嘆いておられた。
 2年前に次のような一文を読んだ。「よく知られている通り、ここ数十年の間に日本のシカは激増している。農作物や、樹皮同様、高山植物も甚大な被害を受けている。シカの増加、高山への進出スピードは非常に速く、対応に乗り出したころには、もはや手遅れという地域も少なくない。南アルプスは、そうした地域の代表的な一つといえる。」(岳人2016年8月号 P.63抜粋)
 山深く広大な山域を有する南アルプスには昔から憧れがあった。退職して自由に行ける身分になったものの、今少し早くから登ればよかった、という後悔の念に駆られている。まだ紹介したい写真もあるが、7月半ばの花で最早旬とはいえない。下記でタイツリオウギと比較して北岳シリーズを終了したい。
iwaougi2.jpgiwaougi.jpg

続きを読む


nice!(0)  コメント(0) 

コバノイチヤクソウ

北岳・亜高山帯の植物6
 北岳では一定の標高(約2200m)で出現する傾向にある。周辺は鹿の食害が酷く、数年前に比べ植相の単純化が進んでいる。
kobanoichiyakusou.jpg

続きを読む


nice!(0)  コメント(0) 

タカネナデシコ

北岳・亜高山帯の植物5
 今回、最も標高の低いところ(2200m)で撮影した。高山帯ではないのでカワラナデシコD. superbus var. longicalycinus と思い、苞を確認すると2対(カワラナデシコの苞は3-4対)。基本種のエゾカワラナデシコ var. superbus として念のため撮影した。決め手は少ないが、高山型の変種タカネナデシコの可能性が高い。
takanenadeshiko.jpgtakanenadeshiko2.jpg

続きを読む


nice!(0)  コメント(0) 

コフタバラン [ランの仲間]

北岳・亜高山帯の植物4
 フタバランの仲間Neottia は葉2個を対生状につけ、全体的に小型で目立たない。黄緑色~紫色の花にある唇弁が特徴的で、基部に耳状裂片があるかないかで大きく2分する。
kofutabaran.jpgkofutabaran2.jpg

続きを読む


nice!(1)  コメント(0) 

コイチヨウラン [ランの仲間]

北岳・亜高山帯の植物3
 状態の良い亜高山帯の針葉樹林下では直射日光が遮られ、鬱蒼とした森を形成する。適度な湿度が保たれた林床には、蘚苔類が生育しやすい環境が整う。見落としがちの小さなコイチヨウランは、そのような環境を好んで生育する。
koichiyouran.jpgkoichiyouran2.jpg

続きを読む


nice!(0)  コメント(0) 

ホザキイチヨウラン [ランの仲間]

北岳・亜高山帯の植物2
 タカネアオチドリの近くで5株ほど確認することができた。ハイマツ帯に近いダケカンバ帯で、図鑑の記述よりも上部の樹林帯に生えていた。いずれも花の状態が悪かったり、葉の先端が欠損していたり、おまけに背景がうるさく、あまり良い写真ではない。
hozakiichiyouran.jpg

続きを読む


nice!(0)  コメント(0) 

タカネアオチドリ [ランの仲間]

北岳・亜高山帯の植物
 北岳山頂部「高山の岩礫地を彩る」を含めて計15回にわたって掲載してきた。標高2200~2700mの亜高山帯でも貴重な植物に出会った。あと数回、北岳の植物にお付き合いいただきたい。
 7月上旬の大雨で大樺沢コースに架かる橋が流され、広河原からのコースは白根御池小屋を経由するしかない。急登がひたすら続く辛いコースでできれば避けたいが、タカネマンテマ自生地へは必須のコースである。この植物はこの急登途中で見つけたもので、観察できたのは1個体のみ。途中で時間を費やすと山頂部での撮影時間が不足するため、翌日下山するときに撮影した。
 はじめて見るランで少し様子が異なる。アオチドリに似ているが、花や花茎に見られる紫褐色がほとんど見られない。帰宅後、図鑑や文献等で南アルプスにはタカネアオチドリがあることを知った。
takaneaochidori.jpgtakaneaochidori2.jpg

続きを読む


nice!(0)  コメント(0) 

ミヤママンネングサ

高山の岩礫地を彩る13
 これまで掲載してきた高山の岩礫地を彩る植物は、厳しい山岳環境で力強く生育するものばかり。強風にされされるため、茎の高さも低いものが多いmiyamamannengusa.jpg

続きを読む


nice!(0)  コメント(0) 

タカネコウリンカ [キクの仲間]

高山の岩礫地を彩る12
 高山の岩礫地には色鮮やかな花をつけるものが多い。地味な花には関心は薄くなるが、植物を探す者にはかえって目を惹くこともある。本来の花期は8月、まだ頭花が開きはじめたばかりだ。違和感のある黒っぽい総苞が意外によく目立っていた。
takanekourinka.jpg

続きを読む


nice!(0)  コメント(0) 

ミヤマキンバイ

高山の岩礫地を彩る11
 北岳山頂部の岩礫地ではシナノキンバイキンロバイ、ミヤマダイコンソウ、ミヤマキンポウゲなどの黄色い花が目立っていた。ミヤマダイコンソウやミヤマキンポウゲはすでに散りかけていた。このミヤマキンバイも同様で、北向きの岩陰(3193mの山頂)に咲いていた残り花である。写真下ではハクサンイチゲも写っているが、この花も日当たりのよいところではすでに果期を迎えていた。葉が3小葉からなるキジムシロの仲間Potentilla にはよく似た種が多いが高山に咲くものは限られている。
miyamakinbai.jpgmiyamakinbai2.jpg

続きを読む


nice!(0)  コメント(0) 

キタダケトリカブト

高山の岩礫地を彩る10
 私はトリカブト属Aconitum を分類する知識を持ち合わせていない。図鑑の検索表で調べても同定が難しい。帰宅後、24インチの液晶画像ではキタダケトリカブトの特徴がいくつか確認できた。しかし、花の表面は典型的なものと少し異なることで迷っていた。確固たる確信はないが、思い切って掲載することにした。
 名のとおり北岳特産で、日本で最も小さく、高い場所にはえるトリカブトといわれる。この個体の高さ約15㎝、葉の切れ込み方、花柄にはえる毛の様子、生育地の標高3050mなど、キタダケトリカブトの特徴である。花の表面にまばらに毛がはえているところが迷うところだ。
 この場所は、昨年9月、サンプクリンドウアカイシリンドウヒメセンブリを撮影した場所からあまり離れていない。その時も花の散ったトリカブトを数多く確認した。ふつう花の見ごろは8月で、まだ緑色の蕾であった。2株ほど開花していたが、それにしても今年の花の咲き方は異常に早い。
kitadaketorikabuto.jpg

続きを読む


nice!(0)  コメント(0)