ホソバトリカブト
ヒメミヤマウズラ [ランの仲間]
数少ない姫
鳳凰三山の針葉樹林帯を長く歩いた割には、ヒメミヤマウズラの個体数は少なかった。初日に数株を見ただけで、最も見栄えの良いものを撮影した。ミヤマウズラに似るが、唇弁内部の毛の有無、花柄の有無などで区別できる。
鳳凰三山の針葉樹林帯を長く歩いた割には、ヒメミヤマウズラの個体数は少なかった。初日に数株を見ただけで、最も見栄えの良いものを撮影した。ミヤマウズラに似るが、唇弁内部の毛の有無、花柄の有無などで区別できる。
ミヤマウズラ [ランの仲間]
オオビランジ
タカネビランジ
イワシャジン
ホウオウシャジン
鳳凰三山
南アルプス稀産種の花巡り
残暑お見舞いとして投稿する予定が、初雪(北海道・大雪山で8月17日)と初氷(南アルプス・北岳で8月18日)の知らせを聞き、タイトルを山名とした。鳳凰小屋に泊まった8月19日もまだ寒さを感じる天候であった。今回の目的はホウオウシャジン、8月中旬から9月にかけて咲く鳳凰三山の特産種。今日は風景写真のみで、花の写真は次回からとしたい。
鳳凰三山(地蔵岳・観音岳・薬師岳)は北岳から見ると谷を挟んで北東方面に対峙する。北岳同様、険しい山であるが地質は全く異なり、花崗岩からなる。一部は風化して白っぽい真砂土状になり、遠くからは雪を被ったように見える。ホウオウシャジンは、こうした花崗岩の割れ目や岩陰に強かに生育している。
残暑お見舞いとして投稿する予定が、初雪(北海道・大雪山で8月17日)と初氷(南アルプス・北岳で8月18日)の知らせを聞き、タイトルを山名とした。鳳凰小屋に泊まった8月19日もまだ寒さを感じる天候であった。今回の目的はホウオウシャジン、8月中旬から9月にかけて咲く鳳凰三山の特産種。今日は風景写真のみで、花の写真は次回からとしたい。
鳳凰三山(地蔵岳・観音岳・薬師岳)は北岳から見ると谷を挟んで北東方面に対峙する。北岳同様、険しい山であるが地質は全く異なり、花崗岩からなる。一部は風化して白っぽい真砂土状になり、遠くからは雪を被ったように見える。ホウオウシャジンは、こうした花崗岩の割れ目や岩陰に強かに生育している。
ノカンゾウ
里山の畦に咲く
棚田の畦道を歩いていると斜面が朱色に染まっていた。少し花期が遅れたヤブカンゾウかと思い、近づくと八重咲きは一つもない。これだけ見事なノカンゾウを見るのは、はじめてである。ワスレグサ属Hemerocallis (キズゲ属、ヘメロカリス属、カンゾウ属ともいう)の多くは、梅雨明けのころから咲きはじめるイメージがある。立秋を過ぎても見ごろが続いているのは驚きである。
棚田の畦道を歩いていると斜面が朱色に染まっていた。少し花期が遅れたヤブカンゾウかと思い、近づくと八重咲きは一つもない。これだけ見事なノカンゾウを見るのは、はじめてである。ワスレグサ属Hemerocallis (キズゲ属、ヘメロカリス属、カンゾウ属ともいう)の多くは、梅雨明けのころから咲きはじめるイメージがある。立秋を過ぎても見ごろが続いているのは驚きである。
エゾミソハギ
ナツエビネ [ランの仲間]
イワオウギ
北岳・亜高山帯の植物7ー最終
本種は亜高山帯だけでなく、高山帯にも分布する。ここに掲載した理由が二つ、一つは、北岳の同じようなところに生育するタイツリオウギと区別すること。もう一つは、数年前まで北岳の亜高山帯にあった群生地の消滅についてである。消滅はシカの食害によるものだ。北岳をはじめとする南アルプスでシカの食害が甚大な影響を及ぼしていることを感じる花巡りでもあった。この山をよく知る方が「数十年間と比べ花が十分の一になってしまった」と嘆いておられた。
2年前に次のような一文を読んだ。「よく知られている通り、ここ数十年の間に日本のシカは激増している。農作物や、樹皮同様、高山植物も甚大な被害を受けている。シカの増加、高山への進出スピードは非常に速く、対応に乗り出したころには、もはや手遅れという地域も少なくない。南アルプスは、そうした地域の代表的な一つといえる。」(岳人2016年8月号 P.63抜粋)
山深く広大な山域を有する南アルプスには昔から憧れがあった。退職して自由に行ける身分になったものの、今少し早くから登ればよかった、という後悔の念に駆られている。まだ紹介したい写真もあるが、7月半ばの花で最早旬とはいえない。下記でタイツリオウギと比較して北岳シリーズを終了したい。
本種は亜高山帯だけでなく、高山帯にも分布する。ここに掲載した理由が二つ、一つは、北岳の同じようなところに生育するタイツリオウギと区別すること。もう一つは、数年前まで北岳の亜高山帯にあった群生地の消滅についてである。消滅はシカの食害によるものだ。北岳をはじめとする南アルプスでシカの食害が甚大な影響を及ぼしていることを感じる花巡りでもあった。この山をよく知る方が「数十年間と比べ花が十分の一になってしまった」と嘆いておられた。
2年前に次のような一文を読んだ。「よく知られている通り、ここ数十年の間に日本のシカは激増している。農作物や、樹皮同様、高山植物も甚大な被害を受けている。シカの増加、高山への進出スピードは非常に速く、対応に乗り出したころには、もはや手遅れという地域も少なくない。南アルプスは、そうした地域の代表的な一つといえる。」(岳人2016年8月号 P.63抜粋)
山深く広大な山域を有する南アルプスには昔から憧れがあった。退職して自由に行ける身分になったものの、今少し早くから登ればよかった、という後悔の念に駆られている。まだ紹介したい写真もあるが、7月半ばの花で最早旬とはいえない。下記でタイツリオウギと比較して北岳シリーズを終了したい。
タカネナデシコ
コイチヨウラン [ランの仲間]
ホザキイチヨウラン [ランの仲間]
タカネアオチドリ [ランの仲間]
北岳・亜高山帯の植物
北岳山頂部「高山の岩礫地を彩る」を含めて計15回にわたって掲載してきた。標高2200~2700mの亜高山帯でも貴重な植物に出会った。あと数回、北岳の植物にお付き合いいただきたい。
7月上旬の大雨で大樺沢コースに架かる橋が流され、広河原からのコースは白根御池小屋を経由するしかない。急登がひたすら続く辛いコースでできれば避けたいが、タカネマンテマ自生地へは必須のコースである。この植物はこの急登途中で見つけたもので、観察できたのは1個体のみ。途中で時間を費やすと山頂部での撮影時間が不足するため、翌日下山するときに撮影した。
はじめて見るランで少し様子が異なる。アオチドリに似ているが、花や花茎に見られる紫褐色がほとんど見られない。帰宅後、図鑑や文献等で南アルプスにはタカネアオチドリがあることを知った。
北岳山頂部「高山の岩礫地を彩る」を含めて計15回にわたって掲載してきた。標高2200~2700mの亜高山帯でも貴重な植物に出会った。あと数回、北岳の植物にお付き合いいただきたい。
7月上旬の大雨で大樺沢コースに架かる橋が流され、広河原からのコースは白根御池小屋を経由するしかない。急登がひたすら続く辛いコースでできれば避けたいが、タカネマンテマ自生地へは必須のコースである。この植物はこの急登途中で見つけたもので、観察できたのは1個体のみ。途中で時間を費やすと山頂部での撮影時間が不足するため、翌日下山するときに撮影した。
はじめて見るランで少し様子が異なる。アオチドリに似ているが、花や花茎に見られる紫褐色がほとんど見られない。帰宅後、図鑑や文献等で南アルプスにはタカネアオチドリがあることを知った。
タカネコウリンカ [キクの仲間]
ミヤマキンバイ
キタダケトリカブト
高山の岩礫地を彩る10
私はトリカブト属Aconitum を分類する知識を持ち合わせていない。図鑑の検索表で調べても同定が難しい。帰宅後、24インチの液晶画像ではキタダケトリカブトの特徴がいくつか確認できた。しかし、花の表面は典型的なものと少し異なることで迷っていた。確固たる確信はないが、思い切って掲載することにした。
名のとおり北岳特産で、日本で最も小さく、高い場所にはえるトリカブトといわれる。この個体の高さ約15㎝、葉の切れ込み方、花柄にはえる毛の様子、生育地の標高3050mなど、キタダケトリカブトの特徴である。花の表面にまばらに毛がはえているところが迷うところだ。
この場所は、昨年9月、サンプクリンドウ、アカイシリンドウ、ヒメセンブリを撮影した場所からあまり離れていない。その時も花の散ったトリカブトを数多く確認した。ふつう花の見ごろは8月で、まだ緑色の蕾であった。2株ほど開花していたが、それにしても今年の花の咲き方は異常に早い。
私はトリカブト属Aconitum を分類する知識を持ち合わせていない。図鑑の検索表で調べても同定が難しい。帰宅後、24インチの液晶画像ではキタダケトリカブトの特徴がいくつか確認できた。しかし、花の表面は典型的なものと少し異なることで迷っていた。確固たる確信はないが、思い切って掲載することにした。
名のとおり北岳特産で、日本で最も小さく、高い場所にはえるトリカブトといわれる。この個体の高さ約15㎝、葉の切れ込み方、花柄にはえる毛の様子、生育地の標高3050mなど、キタダケトリカブトの特徴である。花の表面にまばらに毛がはえているところが迷うところだ。
この場所は、昨年9月、サンプクリンドウ、アカイシリンドウ、ヒメセンブリを撮影した場所からあまり離れていない。その時も花の散ったトリカブトを数多く確認した。ふつう花の見ごろは8月で、まだ緑色の蕾であった。2株ほど開花していたが、それにしても今年の花の咲き方は異常に早い。