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オオイヌノフグリ

春到来
 この花を見ると思い出すことがある。30年前に出会った十代半ばの若者が書いた短文である。以下,その全文を紹介したい。

 私の好きな花はオオイヌノフグリです。学名は「ベロニカペルシカ」といい,処刑されるキリストへマントをささげたペルシアの女性の名を意味します。
 私がこの花を好むのは,春のはじめに,小さな小さな青い花弁を一斉に開くからです。田畑のあぜにまとまって咲いていると,ああ,いよいよ春がやって来たぞ,と大変うれしく感じます。また,よしがんばるぞ,と気持ちが引き締まります。
 今年ももう,青い小さな宝石を抱いて,春を待っています。

 彼の知性と感性に感服し,自分の貧しさを痛感したことが忘れられない。過去の記憶を蘇らせて撮影を試みたが,未だに彼の感性には遠く及ばない。その彼は不惑の年齢に達し,医師として活躍している。
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オオイヌノフグリ(オオバコ科)Veronica persica 大犬の陰嚢
 西アジア,中近東の原産で,ヨーロッパをはじめ世界中に帰化している越年生草本。全体的に粗い毛がある。茎は基部で分岐して匍匐し,四方に広がって長さ40㎝ほどになる。葉は卵形,縁に粗い鋸歯があり,ごく短い柄があって互生する。早春から夏にかけて葉腋から葉より長い柄を出し,径約1㎝の4裂した花を1つずつつける。裂片の1枚は白色で陽を受けて開く。1880年頃に東京で見いだされ,短期間で全国に帰化した。
 クワガタソウ属Veronica はクロンキストやエングラー分類体系ではゴマノハグサ科に分類されている。
(2020.3.21)

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