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ミサキカグマ [シダの仲間]

台風19号から2週間
 10月に入り記録的な降水が続いている。秩父山地は台風19号で記録的な降水量を記録した。荒川上流の二瀬ダムが竣工(1961年)してから秩父市の観測所では最大の降水量545.5㎜(10月10日~12日)を記録,上流の浦山で687.0㎜,三峰で593.5㎜という。また,多摩川上流の小河内でも610.5㎜,奥多摩から奥秩父の広大な地域に600㎜前後の雨が降ったことになる。これが分水して荒川,多摩川,千曲川などに注いだことになる。
 二瀬ダムはカスリーン台風(1947年9月14~15日)の被害を受けて洪水調節を目的として建設されたダムで,この時の秩父の降水量は610㎜と聞いた。荒川上流にあるダムから放流(緊急放流ではない)を行う場合には,下流域にサイレンで知らせている。サイレンは50秒間隔で約3分間鳴り響く。12日夜半にはサイレンが繰り返し鳴り,なかなか寝付けなかった。秩父盆地は河岸段丘が発達しているので浸水等の心配はないが,流れていく先を危惧せざるを得なかった。
 台風19号から2週間経過し,深刻な被害状況が各地から報告されている。ニュースにはならないが,秩父でも山梨県に通ずる国道140号の全面通行止めをはじめ,山間部で寸断されたままの道路は数箇所もある。しばらくは谷深い奥秩父に入ることは難しい。ブログを更新する気持ちが少し出てきたが,台風前に写したもので投稿したい。
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ミサキカグマ(オシダ科)Dryopteris chinensis 岬かぐま,三崎かぐま 別名:ホソバイタチシダ
 本州(本土,佐渡,淡路島,隠岐)・四国・九州(本土,対馬)に分布,温帯~暖帯の低山や平地の林下や斜面,人里の路傍や石垣などに普通に単独で生育し,ときに数株が固まることもあるが,群生はしない。和名では,生育場所説と地名説があるが,実際の生育場所は海岸ではなく内陸が多い。この撮影地も埼玉県内の丘陵地(標高約120m)である。葉は晩春~初夏に展開するものが多い。
 根茎は短く匍匐または斜上し,葉を叢生する。葉柄は細くて硬く,明緑色で栗色を帯びる。葉柄基部の鱗片は淡褐色~黒褐色(黒色)の卵状被針形で中部以上には疎らに着く。胞子嚢群は裂片の辺縁寄りに着き,包膜は全縁の円腎形である。染色体数はn=2n=123の3倍体でアポガミー。胞子は1胞子嚢中に通常32個。 (2019.10.5)


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