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オオタニワタリ [デジタル化]

過去の屋久島
 思いがけない出来事が続いた年末年始,ようやく平常な生活が戻ってきた。南向きの部屋で日向ぼっこしながら,久しぶりにポジフィルムのデジタル化を行った。ポジフィルムの断捨離といったところだ。

 世界自然遺産(平成5年12月登録)となって多くの人が訪れる屋久島へは,これまでに縁あって5回(昭和50年,昭和57年,昭和59年,平成7年,平成22年)訪れた。「屋久島は月のうち,35日は雨といふ位」(「浮雲」林芙美子著)という豊富な雨量,海抜0mから九州最高峰・宮之浦岳(1,936m)までの垂直分布,これらに離島という条件を兼ね揃え,亜熱帯から亜高山帯までの植生分布に多様な固有種が自生している。まさに秘境そのもので豊かな大自然が広がっていた。ところが平成22年の渡島では,凄まじい島の変容に驚愕した。自然遺産登録の意義について疑問を感じる機会にもなった5度の渡島は,いずれも大学時代の恩師(シダ植物の研究者)に同行させていただいた。そのため自ずとシダの写真が多いが,ポジフィルムのデジタル化で「良き時代の屋久島」を振り返りたい。ootaniwatari.jpgootaniwatari2.jpg
オオタニワタリ(チャセンシダ科)Asplenium antiquum
 伊豆諸島・紀伊半島・四国(徳島県東南端)・九州(西・南部)・沖縄に分布,やや陰湿な山林中の樹幹や岩上に着生する常緑性のシダ。根茎は塊状,多数の葉を放射状に出す。葉身は単葉,広披針形,全縁で鋭頭,基部はくさび形,革質,無毛,鮮緑色で光沢があり,下面は淡色。大きいものでは長さ1m,幅15㎝に達する。胞子嚢群は中肋から葉縁近くまで伸び,2/3長以上になる。
 栽培され,生花の材料に使われる。若芽は山菜として賞味される。谷間の湿った場所で樹幹につくことを谷を越えて渡っていくとみて,この名があるという。屋久島では乱獲のため激減しているという。
(写真上1995.7.5 写真下1984.8.5)

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