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キクバオウレン [オウレンの仲間]

雪国の春
 雪解けの頃から開花する植物で、今回訪れた場所では花の見頃は過ぎていた。すでに果期を迎えているものも多く見られた。
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キクバオウレン(キンポウゲ科)Coptis japonica var. anemonifolia 菊葉黄蓮
 学名と和名についてはYlistに準じているので「キクバ」をつけているが、一般にはオウレンいう和名で呼ばれている小型の常緑多年草。古くから最も需要の高い薬草の一つ。成長の遅い根茎は、苦味のある有効成分ベルベリンというアルカロイドを含む。平安時代から用いられ、江戸時代後期には輸出用として栽培されていたという。葉の形には変異が多く、変種として分類されている。標準のものは1回3出複葉、菊葉に似ることが和名の由来。本来の自生地は、本州日本海側(山形県~兵庫県)と考えられているが、古くからの栽培で混在している。
 花は越冬芽の中でつき、暖かい日が続けば年内に咲くことも珍しくないという。雌雄異株とされているが両性花もある。はじめて花をつける若い株では雄花だけをつけ、次第に両方をつけて、やがては両性花ばかりをつける、という研究報告もある。雌株はなかなか見つけられない。
 ほとんどの株は果期をむかえ、下には芽吹いたばかりの小さな葉、地表には去年の葉が残る状態であった。その中から、やっと残り花(雄花)を見つけることができた。(2017.4.6)

【参考文献】
田村道夫編(1981)『日本の植物 研究ノート』培風館
米倉浩司・梶田忠 (2003-) 「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList),http://ylist.info 

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